TRIP

ワインと巡る世界の美景旅 第6回
大迫力のピレネー山脈と小さくてかわいい町を歩く
フランス南西部の旅

まだまだ気軽に海外旅行に行けない昨今、気分だけでも旅を満喫したい!そんな方にお届けする世界の美景特集。各地の美しい景色を眺めながら、その土地のワインを飲めば、行かずとも旅気分に浸れそう。グラス片手にバーチャルトリップ。第六回の舞台はフランスの南西部。ピレネー山脈が見せる雄大な自然景観と、散策が楽しい小さな町を紹介します。

text WINE OPENER編集部

美景旅_第6回

ピレネー山脈の壮大な眺めを楽しむ贅沢ハイキング

美景旅_6月

南仏というとプロバンスやコートダジュールなど南東のリゾートエリアを思い浮かべる方が多いと思います。今回、紹介するのは同じ南仏でも西部。大西洋に面し、南はスペインとの国境にピレネー山脈が横たわる多彩な自然景観に恵まれた地域です。

 

美景旅_第6回

約430kmにわたって連なるピレネー山脈は美景の宝庫。フランス側の一帯はピレネー国立公園に指定され、高山植物を眺めながらのハイキングコースがいくつも用意されています。なかでも人気なのは、ピレネー山脈の中心部にあるガヴァルニー圏谷のハイキング。圏谷とはドイツ語のカールのことで、氷河の浸食によってえぐられた谷を意味します。

 

美景旅_第6回 拠点となるガヴァルニー村から、ヨーロッパ最大を誇る落差422mのガヴァルニーの滝までは往復約3時間。川のほとりに遊歩道が整備され、草原から森林まで変化に富んだ景観を楽しめます。

 

美景旅_第6回 気持ちのいい遊歩道を進むと、目の前にそびえる山脈が徐々に大きくなってきます。2万年以上前に生まれた圏谷は圧倒的な存在感!

堅固な城壁に圧倒される世界遺産の都市カルカソンヌ

美景旅_第6回

自然景観だけでなく、個性豊かな町の風景もフランス旅行の楽しみのひとつ。石畳の路地やレンガ造りの建物、壮麗な教会など絵になる風景が旅情をそそります。 フランス南西部にも散策にぴったりな町が多くあり、カルカソンヌもそのひとつ。中心にはシテと呼ばれる城塞都市が築かれ、その規模はヨーロッパ最大。全長3kmにおよぶ二重の防壁と50以上の塔に守られた都市は世界遺産に登録されています。

 

美景旅_第6回 防壁に設けられたかつての跳ね橋を渡ると、そこには中世の趣を残すノスタルジックな町が広がっています。石畳の路地が入り組み、2500年の歴史を刻んできた建物は厳かな雰囲気。周辺の景色を眺めるなら高台に立つコンタル城へ行ってみましょう。城壁の上には見張りの兵士が巡回していたであろう通路があり、壁の内側と外側に広がる町が一望できます。

 

美景旅_第6回
城塞内に建てられたサン・ナゼール・バジリカ聖堂も見どころのひとつ。11~13世紀に建てられた聖堂はロマネスク建築とゴシック建築の折衷様式。聖堂内にある南仏随一の秀麗なステンドグラスも必見です。

レンガ造りの建物が連なるバラ色の都市、アルビ

美景旅_第6回

もうひとつの世界遺産、タルヌ川に面した商業都市アルビは、旧市街に中世に建てられた教会や宮殿が残り、2010年に「アルビの司教都市」として登録されました。 アルビの建物は、ほとんどが赤いレンガで造られています。これは周辺で建築資材に使える石が採れなかったため。陽光を浴びて赤く染まる町並みは美しく「バラ色の都市」と称されます。

 

美景旅_第6回 町の中心にはレンガ造りのサント・セシル大聖堂が鎮座しています。ゴシック様式の大聖堂はまるで要塞ですが、中に入ると印象は一変。精密な彫刻や天井に描かれたフレスコ画など美麗な内装に驚かされます。

南西フランスの小さくてかわいい町をめぐる

美景旅_第6回

フランス南西部には、ほかにも小さくて美しい町がいくつもあるのですが、ここでは2ヵ所を厳選して紹介します。まずはアルビから車で約30分のコルド・シュル・シエル。シュル・シエルとは空の上という意味で、その名のとおり小高い丘に広がる町はまさに「天空の城」。

 

美景旅_第6回

小ぢんまりとした町はのんびり散策をするのにぴったり。入り組んだ石畳の路地に沿って石造りの建物が並ぶ、ノスタルジックな町並みを存分に楽しめます。

 

美景旅_第6回

ロット渓谷にたたずむコンクも、深い森に囲まれた小さな町。フランスの「最も美しい村」に認定された歴史ある町並みが魅力です。石畳の通りを歩くと、中世にタイムスリップしてしまったような気持ちになります。

フレッシュなワイン造りにこだわるガスコーニュの革命児

美景旅_第6回

フランス南西部の料理といえば、白インゲン豆を豚バラやソーセージと一緒に煮込んだカスレをはじめ、鴨のコンフィやフォアグラなどが代表的。また魚介をじっくり煮込んだブイヤベースや皮目をパリっと焼いた白身魚のポワレなども南仏の名物料理です。

個性的なワイナリーが多いことでも知られ、ボルドー地方の東から南に延びるピレネー山脈のふもとまで、多様な土壌・気候でブドウが栽培されています。そんなフランス南西部で、比較的新しいワインの生産地として注目されるのがガスコーニュ地方。大西洋からの海洋性気候と、ピレネー山脈による山岳気候の影響を受ける、昼夜の寒暖差が大きいエリアです。

1912年創業の歴史あるワイナリー、ドメーヌ・タリケは「ガスコーニュの革命児」と呼ばれる存在。この地方名産のブランデー、アルマニャックの生産者としてスタートしたワイナリーは、ガスコーニュをワインの主要産地のひとつに発展させた立役者です。

白ワインのプロフェッショナルと称され、徹底して酸化を防ぐことでフレッシュかつフルーティなワインを造るのがこだわり。1,125ヘクタールの広大な自社畑をもち、収穫したブドウはすぐにマイナス80℃のドライアイスと二酸化炭素のタンクに入れてワイナリーまで低温輸送します。できたワインはマイナス2℃で保管し、注文が入ってからボトリングすることでフレッシュな味わいを追求しています。

和食との相性がよく、特に魚介とのマリアージュは抜群。広島や宮城をはじめ全国8漁連・漁協に「シーフードに合うワイン」の公認を受けていることからも、それが証明されています。 ここではキリッと冷やして魚介料理と一緒に飲みたい、ドメーヌ・タリケらしい白ワインを紹介します。

 

ドメーヌ・タリケ

タリケ クラシック
参考小売価格:税抜1,008円

キレのあるユニ・ブランとフルーティなコロンバールを主体としたガスコーニュを代表する1本。すっきりと爽やかなソーヴィニヨン・ブランをブレンドし、食前や食中に軽やかに楽しめる白ワインに仕上がっています。

 

 

 

PH41ドメーヌ・デュ・タリケ・コーテG01外観

ドメーヌ・タリケ

タリケ・コーテ
参考小売価格:税抜1,808円

ボディ感のあるシャルドネと華やかな香りのソーヴィニヨン・ブランをブレンドした、フルーティな白ワイン。やや熟した果実味と柑橘系の爽やかさがバランスよくまとめられています。

 

 

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雄大な景観のピレネー山脈や、散策が楽しいコルド・シュル・シエルなど、見どころ豊富なフランス南西部。「ガスコーニュの革命児」と呼ばれるドメーヌ・タリケの産地でもあります。いつか行きたい旅先リストへ、フランス南西部を加えてみてはいかがでしょう?

 

タリケ

※ワインについては、記事掲載時点での情報です。