LIFESTYLE

今年の浴衣の傾向や着こなしのポイントは?
夏のワインパーティーを浴衣で楽しもう

大人たるもの、いつかは、粋な浴衣姿でワインパーティーに参加してみたい…。そんな密かな憧れを、今年の夏こそ叶えてみませんか? ものづくりを大切にしながらも、今の時代の感覚を取り入れた審美眼で人気の呉服店「銀座もとじ」さんに、今年の浴衣の傾向やコーディネートを、ワインスペシャリストで料理家の沢樹 舞さんに、ワインの集まりに浴衣で出かける楽しさを、それぞれ伺いました。今年は、ぜひ浴衣を着てワインを楽しみましょう。

text WINE OPENER編集部

浴衣

浴衣でワインパーティーにおすすめなワインはこちら!

【おすすめ白ワイン20選】透明な色にくぎづけ。白ワインの洗練された魅力に迫る!

マトゥア
リージョナル ソーヴィニヨン・ブラン マルボロ

参考小売価格:税抜2,008円

MATUAはマオリ語で“総本家”。ニュージーランドソーヴィニヨン・ブランのパイオニアとして知られるMATUA創設者、ビルとロス・スペンスが1974年にニュージーランド初のソーヴィニヨン・ブランを植林したのが始まりです。フレッシュなハーブのニュアンスとクリスプでシトラスフルーツの味わい、酸とのバランスが楽しめます。

 

 

グランポレール エスプリ ド ヴァン ジャポネ 唯 -YUI- スパークリング

グランポレール
エスプリ ド ヴァン ジャポネ 唯 -YUI- スパークリング

参考小売価格:税抜1,206円

「エスプリ ド ヴァン ジャポネ」とは、フランス語で「日本ワインの心」を意味します。デラウェア種の特長である華やかなアロマとケルナー種の爽やかな酸味を引き出した、やや辛口で飲みやすい味わいの微発泡スパークリングワインです。(数量限定)

銀座で人気の呉服店「銀座もとじ」に聞く
2022年の浴衣の傾向とコーディネートのポイントは?

―今年(2022年)の浴衣の傾向を教えていただけますか?

銀座もとじさん(以下敬称略):今年は、男女ともにマーブル模様が特徴的な、カラフルな「墨流し」の浴衣が人気です。浴衣姿の方が多く集まるお席でも、人目を引くお洒落を楽しみたい方が増えています。

―「墨流し」というのは、どのようなものでしょう?

銀座もとじ:平安時代(9世紀ごろ)から伝わる日本の伝統的な染色技法のひとつで、水面に1色ずつ顔料を落として、マーブル模様を描き、その波紋を生地に写し取る技法です。

「銀座もとじ 和織・和染」(女性の着物専門店)で 人気の柄

浴衣

「銀座もとじ 男のきもの」(男性の着物専門店)で人気の柄

浴衣

節糸を織り交ぜた独特な素材感とナチュラルな浅いベージュ地が特徴の「奥州小紋」の浴衣は、落ち着いた印象でワンランク上の装いを楽しみたい大人の女性に人気です。他にも絞りの浴衣などが人気です。

―柄や技法のバラエティもさることながら、帯や帯締めなどとの組み合わせによってがらりと印象が変わるのも、着物の魅力のひとつですよね。でも、浴衣初心者にとっては、どのようにコーディネートしたらよいのかわかりません。ポイントを教えていただけますか?

銀座もとじ:まず、女性は、スタンダードな藍×白の浴衣には、レモンイエローなどの帯を合わせると爽やかな印象になります。反対色のボルドー系を合わせると艶っぽく大人な印象に。同系色の寒色系でまとめる場合は、反対色などの帯留や帯締めでアクセントを加えると着姿が華やぎます。

浴衣

―今回おすすめのワイン、「マトゥア」「唯」のような爽やかなブルー系のボトルにも合いそうです。同系色でまとめた中に、爽やかな白の帯締めを合わせると抜け感が出て素敵ですね。

銀座もとじ:寒色系で統一すれば、涼感のある着こなしになります。こちらの透け感のある綿紅梅(めんこうばい)※1は、長襦袢を着て、八寸名古屋帯を合わせれば、夏着物としても楽しめますので、着用シーンの幅が広がります。

※1:太さの異なる糸を格子状に織った綿の生地

―もうひとつ例に挙げていただいたのは、今年の人気柄にも登場していた「奥州小紋」ですね。

浴衣

銀座もとじ:こちらの奥州小紋も、浴衣としても着物風にも着こなしやすく毎年人気です。今回、浴衣の緑と引き合うように、緑色が入った多色の半巾帯(はんはばおび)※2を合わせました。大人っぽい落ち着いた雰囲気の中でも存在感のあるコーディネートです。

※2:一般的な帯の半分程度の細い帯

―多色の中に、さりげなくワインレッドが入っているのもいいですね。しっとり落ち着いたワイン会に着ていきたくなります。男性のコーディネートはいかがでしょう?

浴衣

銀座もとじ:紺や墨色、グレーなど濃い地の浴衣は、夜のお出かけには暗い印象を与えますので、角帯は明るめの映える色合いのものを合わせると着姿が引き立ちますよ。こちらの絞りの浴衣は、長襦袢を着て足袋に草履で夏着物としても楽しんで頂けます。コーディネートのポイントは、大胆なモノトーン系の絞りの浴衣に、上品な薄茶鼠色の紗羽織を合わせたところ。ランクアップした装いは、ワイン会でも大人の魅力を際立たせます。

―もうひとつのコーディネートもおしゃれですね! 

浴衣

銀座もとじ:弁柄の印象的な赤を活かし、角帯や下駄など小物の色味は抑えて合わせました。煙草入れを帯から下げ、こなれたアクセントに。浴衣姿でのワイン会でも、ひときわ個性が光るコーディネートです。

―こんな粋な着物姿の男性がいらしたら、ワイン会もいっそう盛り上がりそうです。

銀座もとじ:ちなみに、男性の浴衣姿は、角帯の位置がとても重要です。帯位置は、ウエストではなく、腰骨あたりで、“前下がり、後ろ上がり”にすると格好良い着姿になりますので、ぜひ意識してみてください。

―ワイングラスを手に、思い思いの浴衣姿で集まる大人たちのイメージがわいてきました。夏の間にドレスコードは「浴衣」のワインの会を、友人たちと開いてみたいと思います。ありがとうございました!

 

■お話をうかがったお店
「銀座もとじ」

1979年創業。東京・銀座に女性の「織り」と「染め」の着物専門店「銀座もとじ 和織・和染」と2002年に日本初・男性の着物専門店としてオープンした「銀座もとじ 男のきもの」の2店舗を展開。

木・石・紙の自然素材にこだわったモダンな内装が目を引くゆったりした店内では、全国の職人や作家が腕によりをかけた、よりすぐりの着物と帯が並ぶ。

https://www.motoji.co.jp/(外部サイトにリンクします)

◎「銀座もとじ 和織・和染」(女性の着物専門店)

浴衣

住所:東京都中央区銀座4-8-12
TEL:03-3538-7878(和織)、03-3535-3888(和染)
営業時間:11:00〜19:00
年中無休・年末年始を除く

◎「銀座もとじ 男のきもの」(男性の着物専門店)

住所:東京都中央区銀座3-8-15
TEL:03-5524-7472
営業時間:11:00〜19:00
年中無休・年末年始を除く

ワインスペシャリスト沢樹 舞さんがアドバイス
浴衣でワインを楽しむ醍醐味と着付けのポイントは?

ここ10年くらい、浴衣でワイン会という機会も増えてきたという、ワインスペシャリストで料理家の沢樹 舞さん。会を主催する側、招待される側、どちらも経験が豊富な沢樹さんに、ワインパーティーに浴衣で参加する楽しさや着付けの際のポイントなどを伺いました。

■お話をうかがった方
ワインスペシャリスト・料理家
沢樹 舞さん

ファッションモデルとして国内外で活躍後、ワインの専門家に転身。食をテーマにしたWEBサイト「たべるの」を立ち上げ、自らがプロデュースした料理番組や雑誌の連載、料理教室などで、ワインと共に楽しむ新しい時代の家庭料理を発信している。シャンパーニュ騎士団よりシュバリエ(騎士)、日本ソムリエ協会よりソムリエ・ドヌール(名誉ソムリエ)を叙任。

 

 

 

―沢樹さんはワイン会を主催する側、招待される側、どちらも経験が豊富かと思いますが、浴衣で参加する際に意識されていることはありますか?

沢樹 舞さん(以下敬称略):ワイン会に限らずですが、大人の集まりで浴衣を着る時に大切にしたいのは「涼やかさ」。もともと浴衣とは、暑い夏の夕涼みにまとう、今でいうバスローブのようなものですよね。そのため、同席する方にも涼を感じていただけるよう、その場の空気を暑苦しく感じさせるような色は選ばないというのは大切なことだと思います。

浴衣
沢樹さんお気に入りの浴衣で。大人っぽいモノトーンに、爽やかな白い帯が涼しげなコーディネート。

―最近のワインイベントでは、浴衣で参加する男性も増えているようですね。

沢樹:ワイン好きの方はもともといろいろとこだわりが強い方も多いので、浴衣を着こなす男性も多いのではないでしょうか。普段、スーツ姿の方が浴衣で登場すると、また新たな一面が見えてかっこいいなと思います。男性は女性ほど着付けも大変ではないと思いますので、もっとトライしていただきたいですね。

―こだわりが強いワインが好きな方は、そのこだわりゆえに、ルールをおさえた上で、自分でテーマを決めて楽しむのも上手な方が多そうですね。

沢樹:そうですね。いろいろな制約があるからこそ想像力が膨らむところってありますよね。たとえば、自分の中でテーマを「今日のワイン会の浴衣は江戸の粋」と設定して徹底するのも楽しいでしょうし、今、大ヒットしたアニメの影響で、大正時代がブームだったりしますよね。だから、「今日は大正ロマン」と決めて、少し大胆なレトロモダンな柄のものを選んでも楽しそうです。

―自分の気分も揚がりそうですよね。

沢樹:当日の自分のテーマを設定すると、非日常感がさらに増えますよね。ただ単にワインを飲む楽しさだけでなく、テーマの中に身を置くことによって、楽しみの価値がもうひとつ増えるといいますか。

―ちなみに浴衣で集まる時は、沢樹さんはどんなワインが飲みたくなりますか?

沢樹:せっかく夏ですし、涼を呼ぶシャンパーニュやスパークリングワイン、キリッとしてミネラリーなソーヴィニヨン・ブランなどが飲めたら嬉しいですよね。それから、万が一、浴衣にワインをこぼしてしまったことを考えると、赤ワインのシミはなかなか落ちないので、浴衣への配慮という点からも、やはり泡や白ワインがよいかと思います。

―今回、私たちがおすすめするワインも、まさに「グランポレール」のスパークリングと、「マトゥア」のソーヴィニヨン・ブランです。いい夏の思い出を作るべく、浴衣でワインを楽しみたいと思います!

沢樹さんより着付けやコーディネートのアドバイス

1:着付けの人に自分でできる応急処置を教えてもらおう!

「おはしょりの整え方など、着付けをお願いした方にちょっとした応急処置を教わっておくと安心です。今はそういうコツを教えてくれる動画もネットにたくさんありますので、事前に見ておくといいかもしれません」

2:和小物を取り入れて、気分を揚げよう!

「いつものハンカチを手ぬぐいにしてみたり、ワインを持参するバッグを紙袋から風呂敷に替えてみたりすると、楽しくなりますよ」

3:普段よりお水を意識的に飲もう!

「洋服に比べて襟元がつまっているので、普段より汗をかく傾向が。そこでつい喉を潤すためにワインを飲んでしまいがちですが、ワインはお水の代わりにはなりません。いつもよりもワインの合間にお水を飲むことを意識しましょう」

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※ワインについては、記事掲載時点での情報です。

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