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世界のおいしい旅 第9回
主要なワイン産地が集う
ドイツ南西部で旬の食材と上質な白ワインを楽しむ

世界のワイン産地を巡るシリーズ、第9回はドイツ南西部を訪れます。主要なワイン産地が集中する南西部は郷土料理が充実しており、食のレベルが高いことで知られています。旬の食材を使ったドイツ料理、そして至極のワインの魅力とは⁉ 

text WINE OPENER編集部

世界のおいしい旅 第9回

南西部観光のハイライト
“ドイツの父なる川”ライン川

ドイツ連邦共和国は長い間、小さな国家の集まりだったため、地方都市の自治権が確立しており個性も豊か。日本からはフランクフルトやミュンヘン、デュッセルドルフに直行便が運航していますが、それ以外にも首都ベルリンをはじめとした独自の文化をもつ都市が点在しています。そのため訪れる地域によってまったく印象が異なるのがドイツの奥深さであり魅力です。

世界のおいしい旅 第9回

ドイツ南西部にも個性的な都市が集まり、さまざまな表情を見せてくれます。起点となるのは国際金融都市として知られるフランクフルト。高層ビルと中世の街並みが同居する大都市で、国内の鉄道・航空網の中心でもあります。

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フランクフルトの西を流れるのは、アルプスを水源としドイツとフランスの国境を北上して北海へと注ぐライン川。ライン渓谷中流上部はロマンティックラインと呼ばれ、2002年に世界遺産に登録されています。父なる川と称される大河では、観光船での遊覧が楽しみ。川岸に建てられた古城やかわいい町並みなどを船から眺めることができます。

豊かな土地で育まれる旬の食材を味わう

世界のおいしい旅 第9回

この地域は雨が多く、農作物の栽培に適しているため食材が豊富です。ドイツ全般に言えることですが、旬の食材をおいしく食べるというのが基本姿勢。四季折々に登場する名物料理がなんとも魅力的なのです。 代表的なところでは、4月中旬から6月頃まで出回る「シュパーゲル」(ホワイトアスパラガス)。レストランでは卵黄とバターで作ったオランデーズソースをかけていただくのが一般的です。

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8~10月頃には「プフィッファリンゲ」(アンズダケ)というキノコが登場。アンズの香りが漂う上品なキノコは、スープやサラダなどさまざまな料理に使われます。子牛のカツレツ「ヴィーナー・シュニッツェル」も、この時期はキノコのソースをかけた「シュニッツェル・ミット・プフィッファリンゲ」に!

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ドイツの料理というとソーセージのイメージが強いかもしれませんが、実際は素材の味をダイレクトに楽しめる豪快な肉料理が実に豊富です。見た目のインパクトが強いこの料理は、豚のスネ肉をじっくりグリルした「シュバインスハクセ」。外はカリッと焼き上げ、中はジューシーで脂の旨味たっぷり。ボリュームがあるので数人でシェアするといいですね。

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こちらは赤ワインとビネガーに漬けた牛肉を煮込んだ「ザウアーブラーテン」。軟らかく煮込まれた牛肉は口の中でほろほろと崩れます。

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ドイツ料理の付け合わせは、ジャガイモやザワークラウト(キャベツの酢漬け)が定番。特にジャガイモは種類も料理も多種多様。茹でたジャガイモからフライドポテト、クヌーデルというジャガイモ団子などバリエーションが多く、料理ごとに異なる付け合わせを楽しんでみてもいいでしょう。

川沿いの南向きの斜面に広がるブドウ畑

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ドイツ南西部には主要なワインの生産地が集まっており、13の特定ワイン生産地域のうち、11地域がこのエリアにあります。比較的雨が多い地域なので、水はけのよい斜面にブドウ畑が作られることが多く、この地域を象徴する景観を生み出しています。ライン川遊覧でも日当たりのよい川沿いの斜面に広がるワイン畑を眺められます。

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栽培されているブドウは多岐にわたりますが、約7割を白ブドウが占めています。最も多く栽培されているのはリースリング。冷涼な土地を好むため、おもに北側の地域で多く栽培されています。フルーティな酸が特徴的な繊細なワインは、ドイツを代表する味といえるでしょう。

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19世紀半ばまで、ドイツで最も多く栽培されていたのがシルヴァーナー。リースリングやミュラー・トゥルガウの登場で栽培面積が減少しましたが、それでもラインヘッセン地方やフランケン地方では主要な品種として栽培されています。冬季の霜に弱いため畑を選びますが、収穫量が多くデイリーワインから高品質なワインまで、多様なワインに姿を変えます。酸味がまろやかなので料理との相性がよく、テーブルワインとして地元でも愛されています。

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ドイツでの栽培面積は多くありませんが、近年、注目されているのがゲヴュルツトラミネール。果皮は赤みがかっていますが、造られるのは白ワインです。ルーツとなるトラミナー種は、ワイン用のブドウのなかでは最も古い品種のひとつで、ドイツでは16世紀から栽培されていたと伝わっています。スパイシーな風味をもち、酸味は控えめ。アロマティックで華やかなワインが造られます。

フランス・ローヌの老舗ワイナリーが、
ドイツで生み出す至高の白ワイン

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南フランスのローヌを代表するワイナリー、M.シャプティエは、アルザス地方でもワイン造りを行っています。2015年からはライン川を挟んだ対岸のドイツにも進出。銘醸地に畑をもち、シファーコフシリーズとして評価の高いワインを生産しています。

テロワールを尊重する造り手として知られるM.シャプティエだけに、個性をていねいに表現したワインが魅力。フランスとの国境に接する南部のバーデンでリースリング、マイン川とその支流の両岸に広がるフランケンでシルヴァーナー、そして温暖な気候に恵まれたファルツの石灰質土壌の畑でゲヴュルツトラミネールを栽培しています。

今回はテロワールを強く感じられる、シルヴァーナーとゲヴュルツトラミネールの2本を紹介します。

M.シャプティエ
シファーコフ シルヴァネール トロッケン・セック フランケン
オープン価格

フランケン地方を代表する品種、シルヴァーナーの魅力を存分に楽しめる一本。酸味は柔らかく、柑橘系果実を思わせるフレッシュな口当たりが特長です。桃のような甘い香りが華やかですが、余韻はシャープですっきり。ほどよい苦味もあり魚介料理や天ぷら、焼鳥といった食事のお供に最適です。

 

 

 

M.シャプティエ
シファーコフ ゲヴュルツトラミネール トロッケン・セック ファルツ
オープン価格

ドイツで2番目にブドウの栽培面積が大きいファルツ地方で栽培された高品質のゲヴュルツトラミネールを使用。香りが豊かで、レモンやグレープフルーツなど凝縮した柑橘系果実のアロマが感じられます。口当たりはシャープで、柑橘系果実のさわやかな風味とほどよい酸のバランスがよい一本です。

 

 

 

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※ワインについては、記事掲載時点での情報です。