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世界のおいしい旅 第7回
アルゼンチン最大のワインの産地、
メンドーサで豪快な肉料理と芳醇なワインに出合う

世界のワイン産地を巡る旅、今回の旅先は南米のアルゼンチンです。南米屈指のワイン産地として知られる国ですが、なかでも国内のブドウ栽培面積の約70%を占めるのが西部にあるメンドーサ。豊かな自然に恵まれたアンデス山脈のふもと、乾燥した高地ではどんなワインが生まれるのでしょうか?

text WINE OPENER編集部

世界のおいしい旅 第7回

アルゼンチン人が大好きなバーベキューを堪能!

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アルゼンチン共和国は、南米大陸の南部に位置する国。278万㎢という世界第8位の国土面積を誇り、これは日本のおよそ7.5倍の広さです。そんな広大なアルゼンチンの中央部、チリとの国境に近い西側にメンドーサ州があります。 南米大陸を南北に貫くアンデス山脈のふもとにあたり、南北アメリカ大陸最高峰のアコンカグア山(標高6,962m)を目指す登山家には、拠点の地として知られています。

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メンドーサ州の中心は、州都でもあるメンドーサ。標高約800mの高地にあり、きれいに整備された近代的な都市です。街にはレストランやカフェが多くどこも賑やか。特にアルゼンチンの人々が大好きなのがアサードまたはパリージャと呼ばれるバーベキューです。炭火で焼いた肉を塩で食べるシンプルで豪快な料理は、レストランでも家庭でもよく食べられる国民食なんです。店頭でジュージューと肉を焼いている店もあり、周囲にただよう炭焼きの香りが食欲をそそります。

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アサードといえば何といっても牛肉。アルゼンチン人は老いも若きも牛肉を好み「牛肉が主食」といわれるほど。1人あたりの年間牛肉消費量は世界でも1、2を争います。 肥沃な大草原パンパで育った牛は肉質が柔らかく、旨味が強いのが特長。ステーキは日本のような霜降りではなく、噛めば噛むほど旨味があふれる赤身が人気です。見た目よりもあっさりしているので、いくらでも食べられてしまいます。

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またパリジャーダという肉の盛り合わせも欠かせません。サーロインやヒレ、ソーセージのほか、内臓系の肉もミックスした肉三昧。いろいろな肉を味わえるのは嬉しいのですが、ボリュームが大きいので頼みすぎにはご注意ください。

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肉は塩で味付けされていますが、どのレストランでも用意されているのがチミチュリというソース。ハーブやスパイスをオリーブオイルとビネガーでマリネしたソースなのですが、これが肉の旨味を引き立てさらに食が進むんです。店によってハーブやスパイスの配合が異なり、風味がまったく違うのも面白いところ。各家庭でも味付けが違うそうです。

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サイドメニューには、エンパナーダが定番です。ひき肉を小麦粉の生地に包んで揚げたパイで、ジャガイモやチーズを包むことも。屋台などでも見かける手軽なスナックです。

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同じく屋台でよく見かけるのがチョリパン。いわゆるアルゼンチン風のホットドッグのことで、チョリソというソーセージをパンに挟むためこの名で呼ばれています。日本でチョリソというとトウガラシ入りの辛いソーセージですが、アルゼンチンではハーブを効かせた太い粗挽きソーセージのこと。ソーセージの肉汁がパンに染み込み、チミチュリソースとの相性も抜群です。

アンデス山脈のふもとで栽培される上質なブドウ

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豪快な肉料理が多いアルゼンチンでは、テーブルにワインが欠かせません。パリジャーダの隣に赤ワインのボトルが置かれているのが普通の風景。特にメンドーサはアルゼンチンのブドウ栽培面積の70%を占める国内最大のワイン産地ですから、どのレストランにも地元産のワインがずらりと並んでいます。

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メンドーサのブドウ畑はアンデス山脈の東側、標高550~2,000mの高地に広がります。海から離れた大陸性気候に属し、温暖で十分な日照量に恵まれています。それでいてブドウの生育期には昼と夜の気温差が大きくなり、糖度と酸味のバランスに優れた上質なブドウが育つという、ワイン造りにはこれ以上ないほどの好条件が揃っているのです。 また年間の降水量が150~400mmと非常に少ないため灌漑設備が整っており、アンデス山脈のミネラル豊富な雪解け水を利用しているのも特長です。

もうひとつ、湿気が少ない高地で栽培するメリットに、カビや害虫の被害を受けにくく農薬を抑えられるという点が挙げられます。昨今、世界的に有機栽培が盛んですが、メンドーサではそれ以前から無農薬、減農薬でブドウが栽培されていたのです。

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メンドーサで最も多く栽培されているのは黒ブドウのマルベックです。マルベックはフランス南西部原産の品種ですが、19世紀半ばにメンドーサに持ち込まれ、この地の風土に合っていたことから盛んに栽培されるようになりました。今ではアルゼンチンワインの代名詞として知られています。 黒ワインといわれるほど色調の濃いワインで、タンニンと酸のバランスがよく凝縮感のある果実味が魅力。さらにアルゼンチンの高地で栽培されたマルベックは、フルーティでまろやかさが際立っています。エレガントな赤ワインは、塩で味付けしたアサードとのマリアージュが最高です。

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白ブドウは少ないながらもシャルドネやトロンテスなどが栽培されています。注目したいのは、ほぼアルゼンチンでしか栽培されていない土着品種のトロンテスです。リオハーノ、サンフアニーノ、メンドシーノという3種の総称で、どれもマスカット系品種の交配種のため、フルーティなアロマをもち華やか。しっかりとしたボディと酸を有し、爽やかな余韻を楽しめます。冷涼な気候と日照量が必要なため、アルゼンチンのなかでもより標高の高い場所で栽培されています。

アルゼンチンワインを牽引する注目のワイナリー

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アルゼンチンは今や世界有数のワインの産地ですが、有名なワイナリーはほとんどがメンドーサに集まっています。今回、紹介する『ファミリア・ズッカルディ』があるのもメンドーサ。標高860~1,610mという高地に広がる銘醸地、ウコ・ヴァレーに拠点を構える家族経営のワイナリーです。

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ワインツーリズムに取り組むワイナリーを表彰する「WORLD’S BEST VINEYARDS」では、2019年から3年連続で1位を獲得しており、世界中から注目されている『ファミリア・ズッカルディ』。畑ごとのテロワールを最大限に表現したワインは繊細かつエレガント。なかでもメンドーサを代表する品種、マルベックとトロンテスの魅力を引き出した3本は、ぜひ飲んでいただきたいワインです。

ズッカルディ セリエ・ア マルベック

ズッカルディ
ズッカルディ セリエ・ア マルベック
オープン価格

丁寧に手摘みしたマルベックだけを使用したフルボディの赤ワイン。赤系果実のフルーティな香りに、ブラックペッパーなどのスパイス感が漂います。しっかりとしたタンニンと奥行きを感じさせながら、フルーティな余韻も楽しめるバランスのよい一本。ワインの一部をフレンチオーク樽で熟成させているのも特長です。

 

 

 

ズッカルディ キュウ マルベック

ズッカルディ
ズッカルディ キュウ マルベック
オープン価格

特定の畑でとれたブドウだけで造られたズッカルディの上級ライン。ズッカルディ定番のコンクリートタンクに加えフレンチオーク樽で熟成させ、カシスやレーズンを思わせる香りやチョコレートのニュアンスも感じられます。濃厚な果実味としっかりとしたタンニンをもち、絹のように滑らかな舌触りも楽しめる上品なワインです。

 

 

 

ズッカルディ セリエ・ア トロンテス

ズッカルディ
ズッカルディ セリエ・ア トロンテス
オープン価格

マスカットやパイナップルなどのフルーティな香りが広がる華やかな白ワイン。シトラスやオレンジピールのニュアンスが爽やかな余韻を感じさせます。ふくよかな果実味をもち、味わいはジューシーな印象ですが、後半は柑橘のような生き生きとした酸味がのびやかで、さっぱりとした後味が特長です。

 

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※ワインについては、記事掲載時点での情報です。