ワインを味わい理解するいちばんの方法は、ワイナリーを訪れること。何気なく飲んでいたワインも、栽培された環境や醸造家のこだわりを知ると、よりおいしく楽しくなります。とはいえ、慣れない海外でワイナリーに行くのはなかなかハードルが高いもの。このシリーズでは多くの訪問客を迎えている世界のワイナリーをピックアップ。ワイナリースタッフがおすすめする、ワイナリーツアーや周辺の見どころなどを紹介します。
text WINE OPENER編集部
目次
アメリカを代表するワインの産地、カリフォルニア州ナパ・ヴァレーへ
アメリカ最大のワインの産地、カリフォルニア州。サンフランシスコ湾で発生した冷たい霧による昼夜の寒暖差や、降雨量の少なさ、そして十分な日照量。神がぶどう造りのためにこの地を作った、といっても過言ではないほどぶどうの栽培に適した環境から、現在では5,500軒を超えるワイナリーが集まり、アメリカのワインの総生産量の約80%をカリフォルニア州が占めています。
なかでもナパ・ヴァレーは日本でも広く知られたワインの名産地。世界に名だたる有名ワイナリーが点在しています。そんなワイン好きならば一度は訪れてみたい聖地ナパ・ヴァレーですが、サンフランシスコ市街地からクルマで70分ほどとアクセスも良好。日帰り旅行にもおすすめです。
伝説のワインコンサルトが手掛けるプレミアムワイナリーで、珠玉のピノ・ノワールに出会う
ナパ・ヴァレーにはいくつもの有名ワイナリーがありますが、今回紹介するのは1982年に創業したエチュード(Etude)。1980年代にナパ・ヴァレーで数多くの有名ワイナリーを手掛けた伝説のワインコンサルタント、トニー・ソーター氏が、自らの理想を追求すべく立ち上げたワイナリーです。
ソーター氏のワイン造りに対する哲学は「ワイン造りの始まりはヴィンヤード(畑)にあり、優れたぶどうができれば醸造家はぶどうのポテンシャルを生かすだけ」。特にソーター氏が愛するピノ・ノワールは6つの異なる土壌の畑で栽培されており、それぞれの土地から生まれたシングルヴィンヤードのピノ・ノワールは愛好家からも絶賛されています。
エチュードのワイナリーツアー
早速ワイナリーを訪れてみましょう。エチュードは見渡す限りのぶどう畑が続く美しい丘陵地帯に位置しています。 爽快なドライブを楽しんでワイナリーでワインを購入するだけでもいいのですが、やはりここはテイスティングツアーに参加してみたいもの。エチュードでは、3つのワイナリーツアーを実施しています。
・コレクターズテイスティング(Collector’s Tasting) 一人50ドル
もっとも気軽なテイスティングプログラム。ワイナリーを代表する2つの赤ワイン、シングルヴィンヤードのピノ・ノワールとエレガントなカベルネ・ソーヴィニヨンを各1杯ずつ楽しみます。所要時間は45分~1時間ほど。
・プライベートテイラードエクスペリエンス(Private Tailored Experience) 一人95ドル
着席スタイルのプライベートテイスティング。ピノ・ノワールは5つの栽培地区で育てられたものが用意され、テロワール(土壌を含めたワインが育つ環境)がどのようにワインの味わいや香りに影響を与えるかを実際に味わって比較することができます。 好みよっては、カベルネ・ソーヴィニヨンや、シャルドネ、ピノグリからチョイスすることもできます。
・ピノ・ノワールの研究(The Study of Pinot Noir) 一人95ドル
ピノ・ノワール好きならば、間違いなくこのテイスティングツアーがおすすすめです。ピノ・ノワールほど育った環境を表現するぶどうはありません。ピノ・ノワールに情熱を注ぎ込んできた醸造家、ジョン・プリエスト氏が手がける5つの栽培地区で育てられたピノ・ノワールを、着席スタイルで存分に堪能することができます。 ブルゴーニュとボルドーの優れたワインをモデルに、カリフォルニアらしさを兼ね備え、リッチで熟した果実味とエレガントな奥行きを持つエチュードのピノ・ノワールの虜になることでしょう。所要時間は60~90分で、こちらの希望やスケジュールに合わせて対応してくれます。 ワイナリーツアーはホームページ(外部サイトにリンクします)から予約ができます。英語ですが、日時を選択して申し込むだけなので簡単です。空きがあれば当日参加することも可能ですが、せっかくの旅。確実に参加するならば予約がおすすめです。また、テイスティングツアーは英語で行われるので、少し英語ができたほうが楽しめるでしょう。
ワイナリーで開催されるイベントもチェック
ワイナリーでは随時イベントが開催されているので、イベントに合わせて旅の予定を組むのもおすすめです。現在予定されているイベントの一部を紹介します。詳しくはエチュードのホームページ(外部サイトにリンクします)をチェックしてみてください。
2023年3月18日 2019 Cabernet Sauvignon Release Event 一人100ドル
毎年恒例のカベルネ・ソーヴィニヨンのリリースイベント。2019年のカベルネ・ソーヴィニヨンと、権威あるアメリカのワイン雑誌Wine Spectatorで世界のトップ100ワインを受賞したカベルネ・ソーヴィニヨンをいち早く試すことができます。ワインの試飲だけでなく、ペアリングを考えて作られたフードも用意。醸造責任者なども参加する華やかなイベントです。
2023年7月29日 Blanc de Noirs Summer Release Event 一人75ドル
毎年夏に開催されるサマーガーデンパーティー。今年は2019年のブラン・ド・ノワール・スパークリングのリリースを記念して催されます。
オイスターやオードブルなどとともに、優雅な午後を過ごしましょう。ガーデンパーティーがテーマなのでドレスコードは花柄や白のリネンパンツ! ぜひ、ファッションも爽やかに決めて参加するのがおすすめです。
2023年10月7日 2021 Pinot Noir Release Event 料金未定
2021年のピノ・ノワール・ヴィンテージのリリースを祝うイベント。新しくリリースされたワインとペアリングフードが楽しめます。詳細は後日発表。
ワイナリーのベストシーズンと楽しみ方は?
おすすめは新緑が美しい3〜5月と収穫期の8~10月。特に8~10月はナパ・ヴァレー全域で開催される収穫祭と重なっているので華やかなムードが楽しめます。周辺にはベリンジャー・ヴィンヤード、スタッグス・リープ・ワイナリーなど有名なワイナリーが点在しているので、ワイナリー巡りを楽しむのもおすすめです。 また、ヨントヴィルの町には「The French Laundry」(外部サイトにリンクします)や「PRESS Restaurant」(外部サイトにリンクします)などのミシュランの星付きレストランも点在し、美食家も満足間違いなしですが、予約は必須。来訪が決まったら即予約しましょう。
ワイナリーへのアクセス方法は?
サンフランシスコからナパ・ヴァレーまで公共交通機関を利用する場合は、サンフランシスコ・ベイ・フェリーでヴァレーホへ。その後、トランジットバスでナパ・ヴァレーに入れます。ナパ・ヴァレー内では、Uberを使って自由に移動するのがいいでしょう。また、バスや専用車でワイナリーを巡るツアーも催行されています。混載ツアーやプライベートツアーなどさまざまな形態があるので、予算やスケジュールに応じて選ぶことができます。
気軽に海外旅行に出かけられるようになる日も、もうすぐ訪れるかも知れません。次の旅のプランの参考にしていただければ幸いです。
https://www.etudewines.com/(外部サイトにリンクします)
エチュードの編集部おすすめワイン
エチュードのラインナップのなかからWINE OPENER編集部おすすめの3本をご紹介します。
エチュード
ナパ・ヴァレー カベルネ・ソーヴィニヨン
参考小売価格:税抜15,008円
レッド・チェリーやブラックベリーなどの豊かな香りが特長。渋みも力強く、ステーキやウォッシュタイプのチーズによく合います。
エチュード
ピノ・ノワール カーネロス
参考小売価格:税抜7,508円
ザクロ、チェリーなどに白檀のスパイシーな香りも加わった豊潤な香りが楽しめます。洗練されたタンニンとナチュラルな酸味による贅沢な味わいも特長です。
エチュード
シャルドネ カーネロス
参考小売価格:税抜7,008円
青りんごや柑橘類のはっきりとした香りと、微かなフローラルノートやトロピカルな香りが調和。ミネラル感に富み、リッチで洗練された味わいが特長です。
購入はこちらから(外部サイトにリンクします)
※ワインについては、記事掲載時点での情報です。