ホスト・テイスティングの基礎知識
レストランのワインテイスティングは「ホスト・テイスティング」とも呼ばれています。テイスティングする人は、そのテーブルのホスト。デートであればエスコートしている男性がおこないます。
でも安心してください。「テイスティング」といっても味見が目的ではありませんからワインに詳しくなくても大丈夫です!
注文したワインが間違ってないか、異常がないか確かめるものであることを基礎知識として覚えておくといいでしょう。
たとえ高級レストランで出されるワインでも、コルクの不具合や輸送・保存中のトラブルで風味が変わってしまう場合もあるんです。ホスト・テイスティングは、ゲストに変質したワインを飲ませないために行うのです。
ホスト・テイスティングの結果、何も問題が無ければソムリエに「大丈夫です」、あるいは「これでお願いします」といえば、同席者に注いでくれます。
無理に気の利いたコメントをしようとして表現を考える必要はありません。その時間だけゲストはお預けを食らうので要注意!
あまりワインに詳しくなく、味が正常なのか自信が持てない時は、遠慮なくソムリエにお願いしましょう。レストラン側であらためてテイスティングしてくれます。
ホスト・テイスティングの手順
ワインのホスト・テイスティングの手順は覚えてしまうと難しいものではありませんよね。
まずはソムリエがボトルを持ってくるので、注文どおりかラベルを確認します。銘柄やヴィンテージ(生産年)、ワイナリーなどです。
注文どおりであればソムリエがワインを開栓してホストのグラスに注いでくれます。グラスの足を持って、にごりや異物が無いかチェック。
少し傾けてレストランの白いテーブルクロスを背景にすると、よりチェックしやすくなりますよ!
次にグラスへ鼻を近づけて香りを嗅ぎます。とくに異臭が感じられなければ、「スワリング」といって軽くグラスを回して空気を含ませてから再度香りを嗅ぎます。
グラスをテーブルに置くと安定して回せるでしょう。利き手が右手なら反時計回り、左手なら時計回りに動かすのが基本。この方法であれば、万が一ワインが飛び出してもゲストにかかることもないでしょう。
最後に一口含み、舌の上で転がすように味わいます。普通のテイスティングであれば飲まずに吐き出しますが、ホスト・テイスティングは異常がない限りそのまま飲み干しても構いまわせん。
ホスト・テイスティングと並行して、ソムリエも職業柄ワインのチェックをおこなっています。
たとえばコルクの「ブショネ」。コルクにカビが生えるとその匂いがワインにも移り、カビ臭いのはもちろん、味も渋みやえぐみが強くなります。
先にソムリエが異常に気づいたら、ホストがテイスティングする前にボトルを取り換えてくれるはずです。
ホスト・テイスティングで断ることは?
ホスト・テイスティングをして異常はないけれど味が好みでない。しかしこういった場合は、引き続き飲むことを断ることはできません。
ホスト・テイスティングで確認するのは異常の有無であって好みではないからです。
どうしても体質に合わず、食事どころではなくなりそうなのであれば、やんわりと掛け合ってみることも出来ますが、レストランによっては受け付けてくれなかったり、料金を徴収したりするところがあるでしょう。
こうした事態を防ぐためにも初めての銘柄をオーダーするのであれば、事前に味のイメージを調べておくと安心ですね。
まとめ
レストランでホストがおこなうワインのテイスティングは、異常の有無を確認してゲストに不快な思いをさせないためのもの。
好みの確認ではなく、きちんと注文どおりのワインか、見た目・香り・味に問題がないかチェックしましょう!
その点だけ注意すれば難しく考えなくても失敗しないはずです。
◆リンク
サッポロビールのワイン情報
http://www.sapporobeer.jp/product/wine/index.php