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アメリカを代表するワシントンワインの魅力

ワシントン州は、ワイン用ブドウの栽培面積が2万ヘクタールを超える、アメリカの代表的なワイン産地のひとつです。

アメリカのワインといえば、カリフォルニアじゃない?と思う方も多いかもしれませんね。確かにカリフォルニア州はアメリカ第1位のワイン生産地ですので、知名度抜群です。

今回は、アメリカワインの魅力をさらに知っていただくべく、ワシントンワインに絞ってご紹介していきます!

ワシントン州は、ワイン用ブドウの栽培面積が2万ヘクタールを超える、アメリカの代表的なワイン産地のひとつです。

アメリカのワインといえば、カリフォルニアじゃない?と思う方も多いかもしれませんね。確かにカリフォルニア州はアメリカ第1位のワイン生産地ですので、知名度抜群です。

今回は、アメリカワインの魅力をさらに知っていただくべく、ワシントンワインに絞ってご紹介していきます!

アメリカを代表するワシントンワインの魅力

ワシントンワインの特長

ワシントン州はワイン用ブドウの栽培面積が約2万ヘクタールあり(※2015年:ワシントンワイン協会データ)、アメリカで第2位のワイン生産地として知られています。ちなみに1位のカリフォルニア州の栽培面積は約19万ヘクタール(2016年現在)ほどだそうです。

アメリカを代表するワシントンワインの魅力

ワシントン州はフランスワインを代表する産地、ボルドー地方とほぼ同じ緯度に位置しており、年間平均日照時間は1日17.4時間</strong class=”fc-red”>、夏には平均16時間と長いのが特徴です。カリフォルニアよりも2時間近く長い日照時間で、昼夜の寒暖差は激しく、年間雨量も少ないため乾燥した気候です。

ワシントンワインがアメリカ第2位の地位にあるのは、この恵まれた気候が大きく関係していることが要因となっています。

長い日照時間でブドウがしっかりと成熟し、昼夜の寒暖差と少ない雨量がブドウの味をギュッと濃縮。穏やかな酸味のブドウがよく育ちます。

そんなワシントン州でワイン用のブドウが初めて植樹されたのは、19世紀のこと。1903年にワシントン州東部でカスケード山脈からの雪解け水を元にする大がかりな灌漑がスタートし、コロンビア・ヴァレーの乾燥した土地にブドウが栽培されるようになりました。

1920年から1933年まで禁酒法が施行されるとワイン産業は衰退。同法撤廃後に、商業規模にまでブドウ畑が拡大され、本格的なワイン用ブドウ栽培が始められたのは、時を経た1960年代から1970年代です。2000年代になると、ワシントンワインは『高品質でコストパフォーマンスが高い』ワインとして人気を集めるようになりました。ワシントンワインはまさに発展期にあります。

ワシントンワインの主な産地と品種

アメリカを代表するワシントンワインの魅力

ワシントン州のAVA(ブドウ栽培地域)は14地域に及びます。ワイナリー数は900以上存在します(2017年現在)。

アメリカを代表するワシントンワインの魅力

ワイン産地のほとんどは、ワシントン州の南に隣接するオレゴン州との境界線から内陸中央部へ広がるコロンビア・ヴァレー流域にあります。この地域は、西側にカスケード山脈が連なっています。

太平洋から吹く湿った風はカスケード山脈にぶつかって雨となり、乾燥した風が吹き込みます。寒暖差が大きく乾燥した大陸性気候であり、年間の平均降雨量は203mmと非常に少ないことが特徴。

冬の厳しい寒さと乾燥した気候、さらに砂質の多い土壌のため、ブドウの害虫であるフィロキセラが生息できません。ワシントン州のほとんどのブドウの樹は、接ぎ木をせずに自根で栽培されています。

害虫フィロキセラの恐ろしさについては、こちらのページで紹介しています。
http://www.sapporobeer.jp/wine/wine_opener/article/wine_grape_pest/

内陸部の有名な産地は、ヤキマ・ヴァレー、ワラワラ・ヴァレー、コロンビア・ヴァレーなど。これら3地域のように1900年代からワイン用ブドウの栽培を行ってきた地域の他、レッド・マウンテンやホース・ヘヴン・ヒルズなどのように2000年代設立の地域も増えてきました。

灌木(背の低い木)が多く、周辺が砂漠地帯となっている地域にブドウ栽培地が集中しているのもワシントンワインの特徴です。

なお、カスケード山脈の西の太平洋側にあるワイン産地は、ピュージェット・サウンドのみ。ピュージェット湾の周囲に広がり、冷涼な海洋性気候でやや湿度が高くなっています。

ワシントン州で栽培されているブドウの品種は、白ワインと赤ワインそれぞれ次のとおりです。

■白ワイン

アメリカを代表するワシントンワインの魅力

ワシントン産の白ワイン用品種で代表的なのは、世界各地で栽培されている以下の2品種。

・シャルドネ種
・リースリング種

ワシントン州で最も多く栽培されているのが、シャルドネ種です。州内のワイン産地のほとんどで栽培されており、他国のシャルドネ種と同じく、土地の個性をしっかりと現す香りと味わいに仕上がります。

オーク樽で醸造することが多いですが、重くなりにくく、爽やかでリンゴのようなフレッシュな印象を与えるワインになります。乳酸菌のはたらきで酸味の角をとる『マロラティック発酵』を行い、バニラやバターのクリーミーな香りを強調させるワイナリーも少なくありません。

ワシントン州のシャルドネ種で造ったワインには、カニやエビの他、白身魚や肉(豚・鶏)のグリル料理がおすすめです。また、ソースを使った料理とも合わせやすい味です。

リースリング種は、ワシントン州での栽培歴が古い品種のひとつ。一部は貴腐ワインとして甘口に仕上がりますが、ワシントン州のリースリング種は辛口が主流です。アプリコットやピーチのような濃厚でしっかりとした果実の香りと、花のエレガントな香りが特長的なワインになります。

オフドライ(半甘口)のワインも多く、マリアージュの可能性が幅広いのがワシントン州のリースリング種。エスニックやスパイシーなど個性の強い料理とはもちろん、フルーツや牡蠣とも合わせてみてください。

■赤ワイン

アメリカを代表するワシントンワインの魅力

赤ワイン用ブドウ品種の中で、ワシントン州で主に栽培されているのは、以下の3種があげられます。

・カベルネ・ソーヴィニヨン種
・シラー種
・メルロー種

赤ワイン用品種の代表的な存在ともいえるカベルネ・ソーヴィニヨン種は、日照時間の長いワシントン州の環境と相性抜群です。チェリーやベリー、カシスを思わせる果実香の中にチョコレートやハーブ、レザーなど複数の香りが絡み合った複雑な味わいになります。ワシントン産のカベルネ・ソーヴィニヨン種で造ったワインは、濃い味付けの料理や肉料理の他、野菜のマリネのようなさっぱりした料理ともマッチする一本です。

ワシントン州の栽培環境とよく合うのは、シラー種も同じです。複雑さのあるフルーティーな味わいに仕上がるワインは、ベリーやカシスなど黒い果実とロースト香が特長的。羊肉やジビエなどクセのある肉料理に合わせるなら、この一本がおすすめです。

酸味の強い赤ワインを楽しみたい方は、ワシントン産のメルロー種を試してみてください。カリフォルニア産のものよりも強く感じる酸味に、ブドウ本来の甘さが加わり、チェリーやベリーのような甘酸っぱいフレッシュさのある味わいを楽しめます。

ドライトマトやバジルソースのさっぱりした味や、赤みのお肉とよく合います。

おすすめのワシントンワインをご紹介

ワシントンワインの中でも試してみていただきたいワインをご紹介します。ワシントン州を代表するワイナリーについて紹介しているので、ぜひお手に取ってみてください。

■コロンビア・クレスト・ワイナリー

アメリカを代表するワシントンワインの魅力

1985年に設立されたコロンビア・クレスト・ワイナリーは、ワシントン州において最大規模を誇るワイナリーです。ホース・ヘヴン・ヒルズに広がる1,000ヘクタール以上のブドウ栽培地を持つほどの大きなワイナリーながら、手作りのあたたかみと高品質を維持し続けています。

また、2009年に「ワイン・スペクテーター誌」で「ワイン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたことから分かるように、その実力は世界的に認められています。

そんなコロンビア・クレスト・ワイナリーが発売するワインの中でも、おすすめなのがこの3本です。

 

アメリカを代表するワシントンワインの魅力

・コロンビア・クレスト リザーブ・カベルネ・ソーヴィニヨン
(参考小売価格:8,000円)

http://www.sapporobeer.jp/product/wine/LA20/index.html

ステーキと合わせてちょっとした贅沢を楽しみたいなら、ボディを
しっかり感じられるリザーブ・カベルネ・ソーヴィニヨンが最適です。
ブルーベリーのような果実香の中に、焦がしたカラメルを思わせる
樽香が含まれ、エレガントな味わい
を楽しめます。

 

 

 

アメリカを代表するワシントンワインの魅力

・コロンビア・クレスト H3 メルロー(参考小売価格:2,800円)
http://www.sapporobeer.jp/product/wine/LA22/index.html

もっと気軽に楽しみたい方におすすめなのが、H3 メルローです。
ラズベリーのようなどこか甘酸っぱさを思わせる香りと、黒胡椒や
土に似たアクセントがあります。チョココーティングしたフルーツに
似た味わい
は、鮭のグリルや子羊のローストとぴったり。

 

 

 

アメリカを代表するワシントンワインの魅力

・コロンビア・クレスト H3 シャルドネ(参考小売価格:2,800円)
http://www.sapporobeer.jp/product/wine/LA24/index.html

白ワイン派や魚介類派の方は、シャルドネもぜひ試してみてください。
焼きリンゴやナツメグなどの香りを引き立たせるミネラル感が特長です。
甘い果実香とオークの樽香にどこかクリーミーな印象がありますが、
辛口なので飲み口がさっぱりしています。料理はホタテのグリルがおすすめです。

 

■ツーヴァインズ・ワイナリー

アメリカを代表するワシントンワインの魅力

コロンビア・クレスト・ワイナリーを語るうえで外せないのが、兄弟ワイナリーのツーヴァインズ・ワイナリーです。社名と同じツーヴァインズブランドを生産しています。

高い品質と親しみやすい価格は、多くのワイン専門誌で注目されるほど。

 

アメリカを代表するワシントンワインの魅力

・ツーヴァインズ カベルネ・ソーヴィニヨン(参考小売価格:1,607円)
http://www.sapporobeer.jp/product/wine/D190/index.html

価格も味わいも手軽に楽しめるツーヴァインズ・カベルネ・ソーヴィニヨンは、チェリーやベリーなど黒い果実の香りが特長です。ココアやクローブのアクセントが柔らかく、飲みやすいその味は定番の牛肉料理やラム肉料理にぴったり。

 

 

 

 

アメリカを代表するワシントンワインの魅力

・ツーヴァインズ シャルドネ(参考小売価格:1,607円)
http://www.sapporobeer.jp/product/wine/PY69/index.html

冷涼な気候でしっかりと育ったブドウを使用した辛口の白ワインです。
シトラス系の軽やかな酸味と完熟したメロンや洋梨、林檎のような味わいのバランスがほどよくとれています。甘い林檎やキーライムパイ、
パイナップルキャンディーを想わせる香りが特長的。クリームソースの
魚介料理と相性抜群です。

 

■ノーススター

アメリカを代表するワシントンワインの魅力

1934年設立のワイナリーで、ワシントンで最も古い歴史を誇る、ワシントンワイン業界のパイオニア的存在です。ワシントンワインのシェア率65%を誇ります。コロンビア・クレスト・ワイナリーは、実はノーススターの傘下企業。世界各地のワイナリーとのコラボレーションにも積極的なワイナリーのひとつです。

アメリカを代表するワシントンワインの魅力

・ノーススター(参考小売価格:9,017円)
http://www.sapporobeer.jp/product/wine/J499/index.html

ノーススターの代表的なワインといえば、社名と同じこの赤ワイン、
ノーススター。ワシントン州のメルロー種のすばらしさを世界に
伝えるために生まれたワイナリーが、満を持して送り出す一本です。
ワシントン州の長い日照時間がギュッと凝縮させたブドウの味を、
しっかり活かした味わいが特長的。

ラム肉のローストやサーモンのグリルなど、濃厚な料理との相性ぴったりです。

※ワインについては、記事掲載時点での情報です。

まとめ

アメリカのワイン産地といえば、カリフォルニア州・ワシントン州の2大産地は必ず覚えておきたいところ。

ワシントンワインは高い品質と手頃な価格で親しみやすさもあり、栽培に最適な環境で育ったブドウの凝縮された味は、初めてアメリカ産ワインに挑戦する方におすすめです。