冬の寒さが落ち着き、すっかり春を感じる季節。心地よい日差しに誘われ、アウトドアでワインを楽しみたいと思う人も多いのではないでしょうか。キャンプ場に仲間を集めて誕生日パーティーを企画したり、ベランピングでワインパーティーを企画したり、アウトドアならではのワインの楽しみ方もあるようです。そこで!ワイン好きのキャンプコーディネイター・こいしゆうかさんに、「アウトドアでワインパーティーを楽しむなら」をテーマにお話をうかがいました。
text WINE OPENER編集部 illust こいしゆうか photo 本宮 誠
■お話を伺った方
こいしゆうかさん
漫画家/キャンプコーディネイター。女性が自立したソロキャンプスタイルの提唱者であり、ソロ用テント「PANDA」のデザインも担当。キャンプの本質的な楽しさを提案している。ワイン研究家・杉山明日香さんとの共著「先生、ワインはじめたいです!」(大和書房)のほか、著書「ゆるっと始めるキャンプ読本」(KADOKAWA)、連載「くらべて、けみして 校閲部の九重さん」(小説新潮)などがある。http://koishiyuka.com/(外部サイトにリンクします)
パーティーキャンプには
太陽の日差しにマッチする
スパークリングワイン
―キャンプ人気に伴って、ソロキャンプやファミリーキャンプ、女子キャンプといった様々なスタイルが生まれましたが、最近は「パーティーキャンプ」を楽しむ人も増えているようですね。
こいしゆうかさん(以下敬称略):私も定期的にやっていますよ。例えば普通におうちでパーティーするときって、誰かの家でやるわけで、準備にしろ片付けにしろ家主に負担がかかるじゃないですか。『片付けは私がやるから、このままでいいよ!』と言ってくれても、何だか申し訳ない気持ちに…。その点、キャンプだったらみんなで準備して片付けをするので、誰かに特別な負担がかかることはありません。私にとってパーティーキャンプは、大人になっても月イチで気軽に集まれる、新しい飲み会のスタイルですね。決して騒ぐのが目的ではなく、いつもよりちょっぴり華やかにお酒や料理を楽しむキャンプといったイメージ。途中でテントやハンモックでお昼寝したり、マイペースで楽しめるのも醍醐味のひとつだと思います。
―そんなパーティーキャンプには、どんなお酒がおすすめですか?
こいし:お昼から飲んでも罪悪感がなくて、気分を高めてくれるお酒と言えばスパークリングワインですね。爽やかな微発泡感が太陽の日差しにマッチするし、同じ発泡系のビールよりも軽やかに楽しめると思うんです。
―どのようなタイプのスパークリングワインを持参するといいですか?
こいし:味わいが特長的なもののほうが、話題が広がっていいですよね。例えば香りが華やかなタイプであったり。この前パーティーキャンプでいただいた「フルール・ド・フランス 〈白〉」は、まさに華やかな香りで、かわいいエチケットということもあって女子からの支持が高かったですね。
すっきり系を好む男性から人気が高かったのは「プロセッコ エクストラ ドライ ブルー ミレジマート」。
逆に甘めのお酒が好きな人からは「マルティーニ アスティ・スプマンテ」が支持されていました。パーティーだとみんなでお酒を持ち寄ることが多いので、飲み比べができる楽しみもありますよね。
―こしいさんがキャンプで作る、定番のパーティーフードと言えばどんな料理ですか?
こいし:よく作るのが「燻製カマンベールチーズ」ですね。カマンベールチーズとミックスナッツを燻製して、はちみつをかけて食べると甘じょっぱくて美味しいんです。あとは、私が考えた「サバワッサン」もおすすめ。クロワッサンにスライスしたトマトと玉ねぎ、ベビーリーフとチーズ、サバ缶のサバを挟んでいただく超簡単な料理です。実はバインミーを作ろうと思ったけど、クロワッサンで作ってみたらまったく別物になって(笑)。むしろこっちのほうがワインに合うと好評なので、よく作っています。夜は火を起こしてお肉を焼いたり煮込んだりして時間をかけて作ってもいいけど、昼間は手間なく簡単に作れるものがいいと思います。
―最後にこいしさんから、これからパーティーキャンプを企画しようとしている読者へアドバイスをお願いします!
こいし:まずは予定しているキャンプ場のロケーションをイメージしてみてください。湖、森、海…それぞれのシチュエーションに合うワインを考えてみると、キャンプに行く準備段階から楽しくなります。そうやってイメージすることで自分らしいキャンプを演出してくれるのは、お酒だけでなく、道具ひとつとってもそう。「今回はリラックスチェアでワインを飲みたいな」とか、いろいろイメージが広がると思います。周囲に流されるのではなく、自分で空間を作っていく。そういったキャンプが私は好きですね。
こいしさんがキャンプに持参した
スパークリングワイン
マルティーニ
マルティーニ アスティ・スプマンテ
オープン価格
マルティーニ スパークリングは1863年設立の老舗で、1871年に最初の輸出を開始。以来、アスティ・スプマンテのトップブランドとして君臨してきた。この「マルティーニ アスティ・スプマンテ」はモスカート・ビアンコ種100%の甘口スパークリング。フルーティで爽やかな味わいと豊かな香りを感じさせる。
ヴァル・ドッカ
プロセッコ エクストラ ドライ ブルー ミレジマート
参考小売価格:税抜1,680円
イタリア・ヴェネト州で1952年に創立し、現在は602軒のブドウ農家で構成される協同組合によってワイナリー経営している。この「プロセッコ エクストラ ドライ ブルー ミレジマート」はフローラルで芳香なブーケ、エレガントで優しい酸味と果実の甘味がバランスよく口の中に広がる。
リステル
フルール・ド・フランス 〈白〉
参考小売価格:税抜1,200円
ドメーヌ・リステル社は南仏モンペリエ近郊の地中海沿岸に合計2,000ヘクタールの広大なぶどう園を所有。最新の技術・設備を積極的に導入しながら、自然との共存も目指すワイナリーだ。この「フルール・ド・フランス 〈白〉」は南フランス産の軽やかなタイプのスパークリングワインでフルーティな香りと爽やかな甘みが特長。
購入はこちらから(外部サイトにリンクします)
※ワインについては、記事掲載時点での情報です。