CULTURE

OPENER LOUNGE talk&music
グラス片手に音の旅へ vol.5 特別編
7ORDER・萩谷慧悟&阿部顕嵐ワイン対談 前編

いいワインにはいい音楽を。音を知り尽くしたプロフェッショナルたちに、ワインと音の関係をうかがい、毎回、ワインを楽しむためのエクスクルーシヴなプレイリストを作っていただく特別企画「OPENER LOUNGE talk&music」。今回は、スペシャル版の前編として、バンドもダンスもこなす多才な7人組アーティスト「7ORDER」から、ワイン好きで知られる萩谷慧悟さん&阿部顕嵐さんが登場。萩谷さんはスタッグス・リープ・ワイナリー「ナパ・ヴァレー メルロー」、阿部さんはM.シャプティエ「エルミタージュ ルージュ モニエ ド ラ シズランヌ」をそれぞれ選んで、ワインの楽しみ方や音楽について語っていただきました。

text:WINE OPENER編集部

OPENER LOUNGE Vol.5

二人のワインとの出合いと付き合い方

今回、萩谷さんはスタッグス・リープ・ワイナリー「ナパ・ヴァレー メルロー」が、阿部さんはM.シャプティエ「エルミタージュ ルージュ モニエ ド ラ シズランヌ」がお好みに合ったようですが、どのようなところがポイントだったのでしょう?

萩谷慧悟さん(以下敬称略):僕は最初にワインを好きになったのが、ナパ・ヴァレーのワインでカベルネだったんです。タンニンがしっかりきいていて、そういうタイプのワインが好きだったんですが、あるときからメルローの方が味わいが丸いと気付いて、そちらに落ち着いたんですよね。自分の周りの、年上のワイン好きの方たちも大体一周回って、メルローやピノ・ノワールに落ち着いていて、自分も今、そんな感じですね。

阿部顕嵐さん(以下敬称略):ワインは飲むのですが、ぶどうの品種など全然詳しくないんです。飲みやすさや、けっこう渋いもの、重ためのワインが好きなので、そういう観点で選びました。2年前くらい前に、イタリアに行ったのですが、向こうではレストランのハウスワインをずっと飲んでいました。僕は赤ワインが好きでほぼ赤しか飲まない。

萩谷:イタリアだと固有種が豊富で。モンテプルチアーノとか、プリミティーヴォとか、そこら辺の品種はもうイタリアならではのものだよね。やっぱり、食事をしてワインが身近となると、僕らにとってはイタリアンだよね。

阿部:そうだね。

萩谷:フレンチよりも身近なピザやパスタとか。

阿部:日常だよね。普段の生活になじんでる。

萩谷:だからさっき挙げたようなイタリアの固有種のワインが僕は好きですね。

もともと、阿部さんと萩谷さんではよくワインの話をしたりするんですか?

阿部:萩ちゃんは、よくワインのことを教えてくれるよね。

萩谷: 最初にカリフォルニアのワインを好きになったのは、目上の方に顕嵐といっしょにごはんに連れていってもらった時に、飲ませてもらって、その時に、二人ともめちゃくちゃおいしいね!ってなったんだよね。だから、ナパのワインを入り口に、そこからどんどん掘ったり広げたりしていた感じです。

阿部:4年前くらいかなあ。僕が20歳になったくらいのときだったね。

萩谷:僕はお酒全般が好きで、大体、重たいのから入ってる(笑)。

阿部:ああ、ウイスキーも重たいのが好きだよね(笑)。

お二人で飲みにいくことはあるんですか?

阿部:メンバーでごはんに行ったとき、萩ちゃんがワインをおすすめしてくれるよね。

萩谷:他のみんなそんなにワインを飲まないから、顕嵐に飲まない?って勧めて。

阿部:僕は好きなので、喜んでありがとうございます、って飲んでいます(笑)。

萩谷:食べるときと飲むときって、僕は別で。

阿部:確かにね。

萩谷:顕嵐はお酒を嗜好品として楽しんでいるよね。

阿部:向き合い方としては、そうだね。お酒をたしなむって感じかも。

萩谷さんはどんな飲み方をされるんですか?

萩谷:僕はワインが主役で、たとえば、今日はソーヴィニヨン・ブランを飲みたいからお刺身を買ってこようとか。

阿部:それすごいね。ワインを中心にごはんを食べている人だ。上級者の楽しみ方だね。

萩谷:一時期はそうだったね。今は、外食に出かけたら自分のワインの好みをお店の人に伝えて、それに合う食事を提案してもらってる。

阿部:僕と逆だね。僕はあくまでも、食事ありきでそれに合うお酒を飲むという感じで、ワイン初心者の方にとっては近い存在かもしれないです。お酒も楽しむし、ごはんも楽しむし。最近、とんかつにはまっていますが、とんかつに合うワインもあるんですよね。

萩谷:みんなでどこかに行った時に、「このワインおいしいよ」って勧めるのは、顕嵐とモロ(メンバーでボーカルとサックス担当の諸星翔希さん)とみゅっさん(メンバーでベース担当の森田美勇人さん)だよね。

お二人だけでワインを飲むこともあるんですか?

萩谷:あったっけ?(笑)

阿部:あるよ。ホームパーティの時や、1年くらい前に二人で行ったよね。けっこう長い時間飲んでた。

萩谷:その時は、グランピングみたいな感じで、外で肉を焼ける場所だったんだけど、風が強すぎて結局、屋内でお店の人に焼いてもらったのを食べるっていう(笑)。

阿部:謎の会(笑)。 その時は赤も白も飲んだよね。

萩谷:あと、アウトドアで思い出したけど、たまにホットワインを楽しんでいます。

阿部:この季節、ホットワイン飲むのっていいよね。シナモンスティックを入れて。

萩谷:もともと甘い感じがあまり好きじゃなくてシナモンも苦手なんだけど、ホットワインは外で一杯だけ飲みたくなるね(笑)。

阿部:そういえば、ワイングラスも萩ちゃんがいいグラスを揃えていたので、自分も替えましたね。やっぱり、口あたりが変わるから。

萩谷:飲んだ日は余計な力が入っていいグラスを割っちゃう可能性があるから、次の日に洗うのが僕たちのお約束(笑)。

音楽でワインの時間を
ドラマティックに

萩谷さんは、スタッグス・リープ・ワイナリー「ナパ・ヴァレー メルロー」を飲みながら聴きたいプレイリストですが、DISH//の曲から始まりましたね。

萩谷:基本的にJ-POPが好きなので、最初は明るい曲から始まって、後半に向かってスタジアムロックが多くなる流れで、ワインを飲みながら終盤に向けてテンションも上がっていくような感じです。

阿部:すごく親近感がわくプレイリストだった。

萩谷:1曲目は、今、僕が一番好きな曲です。2曲目の夏代孝明さんもですが、僕のラジオ番組で流したことがある曲で、どれも景色が見えてくる曲というか。最初はもうウキウキした感じで飲み始めますよね。で、続いて、King Gnuの「カメレオン」というとんでもない曲が登場するんですよ(笑)。

阿部:(笑)。ここで一気に、独特な世界に。

萩谷:ここから、ワインの深い味わいに入っていくようなイメージです。聴いていたら、なんだか懐かしい気持ちがわき起こってきたので、次はEXILEだなと。2002年のリリースで、僕、この時代の音がすごく好きなんです。この辺りから、ちょっとしっとりした感じで。その次に、どん!と東方神起がくるわけです。

阿部:(笑)。いきなり食い込んで来たね(笑)。

萩谷:昔、アニメの『ワンピース』の主題歌だったんだよね。

阿部:ああ!

萩谷:そして、Adoの曲で現在に戻ってくるっていう展開。その後、Mr.Childrenで一気にみんなが知ってる曲になって。ジャーニーに続くんです。

ドラマティックな展開になってきましたね!

萩谷:ここでクライマックスを迎えたなと思ったところで、カーペンターズの「Top Of The World」のイントロが流れてくるっていう(笑)。

阿部:メリハリがすごいね(笑)。

萩谷:スタッグス・リープ・ワイナリーがカリフォルニアのワイナリーなので、そのつながりでカリフォルニア出身のカーペンターズを入れてみました。で、最後のバックストリート・ボーイズやウエストライフでしっとりと。この曲が流れる頃には、余韻を味わうような感じだね。ただし、グラスは洗わないようにしないといけない(笑)。

阿部:それは次の日にだね(笑)。

 

次回の後編(2023年1月27日公開予定)では、阿部さんのプレイリストをお伺いしていきます。どうぞお楽しみに!

 

7ORDER 萩谷慧悟さんセレクト
スタッグス・リープ・ワイナリー「ナパ・ヴァレー メルロー」のためのプレイリスト

  1. しわくちゃな雲を抱いて/DISH//
  2. ニア/夏代孝明
  3. カメレオン/King Gnu
  4. Your eyes only~曖昧なぼくの輪郭~/EXILE
  5. Love Song/Da-iCE
  6. 明日は来るから-TOMORROW Version/東方神起
  7. 世界のつづき/Ado
  8. レンズ/幾田りら
  9. 花に亡霊/ヨルシカ
  10. 365日/Mr.Children
  11. Open Arms/ジャーニー
  12. Top Of The World/カーペンターズ
  13. The Perfect Fan/バックストリート・ボーイズ
  14. Better Man/ウエストライフ

 

 

「スタッグス・リープ・ワイナリー」

1893年設立のスタッグス・リープ・ワイナリーは、評価の高いスタッグス・リープ・ディストリクトにおける最古のワイン・エステーツのひとつ。できる限り人が介入しないというワイン造りの哲学を持ち続け、独自の85エーカーのヴィンヤードと、品質を重視する農家の最高のぶどうを使って、自然なバランスを実現し、強さと細やかさの両方を表現しています。「スタッグス・リープ」の名は、雄鹿(スタッグ)が崖を飛び越えて(リープ)、ハンターから逃げたという、地元に伝わるワッポー族の伝説に由来しています。

 

●萩谷慧悟さんに今回試飲いただいたワイン

スタッグス・リープ・ワイナリー 「ナパ・ヴァレー メルロー」

スタッグス・リープ・ワイナリー

ナパ・ヴァレー メルロー

参考小売価格:税抜6,508円

プラムなどの濃厚でジューシーな果実味とキャラメルやシナモンの香りが加わり、とても複雑な味わいが楽しめる赤ワインです。

 

※ワインについては、記事掲載時点での情報です。

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7ORDER(セブンオーダー)
OPENER LOUNGE Vol.5

2019年5月に、安井謙太郎、真田佑馬、諸星翔希、森田美勇人、萩谷慧悟(写真左)、阿部顕嵐(写真右)、長妻怜央の7人で始動させたプロジェクト。2021年1月13日にメジャーCDデビュー。バンドもダンスもオールマイティにこなし、精力的に全国ツアーを行なう。舞台や映画出演など、メンバー各自の活動も盛ん。

7ORDER project Official Site(外部サイトにリンクします)

https://7orderproject.com/