TRIP

ワインと巡る世界の美景旅 第1回
アメリカを代表する銘醸地ナパ・ヴァレー

気軽に海外旅行に行けない昨今、気分だけでも旅を満喫したい!そんな方にお届けする世界の美景特集。各地の美しい景色を眺めながら、その土地のワインを飲めば、行かずとも旅気分に浸れそう。グラス片手のバーチャルトリップ。第一回目となる今回はアメリカ西海岸のナパ・ヴァレーを訪れてみましょう。 text WINE OPENER編集部

ワインと巡る世界の美景旅_01

世界から注目されるワインの産地ナパ・ヴァレー

ワインと巡る世界の美景旅_01
サンフランシスコの北東約80kmにあるナパ・ヴァレーは、カリフォルニアを代表するワインの産地。広大なブドウ畑をまっすぐ貫く州道の周辺には450軒以上のワイナリーが集まり、世界のワインラバーたちを魅了しています。

2つの山脈に挟まれた渓谷は1日の気温差が激しく、午前中は霧に覆われ冷え込むのに午後になると汗ばむほどの暑さになるなんていうことも。そんな寒暖差は、おいしいワインに欠かせないブドウの酸味と甘味を引き出します。また収穫期に雨が少ないのも高品質なブドウがとれる理由のひとつ。雨に晒されない果実は樹になったまま完熟し、旨味の凝縮した果実味あふれるブドウになるのです。水はけのよい土もブドウ作りには最適なのだそう。

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類まれなる気候と土壌に恵まれ育ったブドウは、四季折々に魅力的な表情を見せてくれます。6月、新緑のブドウ畑は丘陵地帯を埋め尽くす緑の絨毯のよう。生命の輝きを感じさせるみずみずしい空気に満ちています。9~10月はブドウ畑が1年で最も活気づく季節。ブドウがたわわに実り、この日のために1年を捧げてきたファーマーたちが、忙しくブドウを摘み取りトラクターに運びます。ワイナリーではさまざまなイベントが催されることも。ブドウの選別や除梗の工程を見学したり、昔ながらのブドウ踏みイベントに参加したり、観光客も多く賑やかです。

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冬のワイナリーは静寂に包まれているイメージですが、2月は黄色いマスタードの花が咲き誇る隠れた絶景シーズン。落ち着いてワイナリー巡りができるとあって、あえてこの季節に訪れるリピーターもいます。

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ナパ・ヴァレーまではサンフランシスコから車で1時間ほど。レンタカーがあれば気軽にブドウ畑を見にいけますが、運転手だってワインのテイスティングを楽しみたい。そんなときは送迎付きのワイナリーツアーに参加するといいでしょう。

ほとんどのワイナリーが見学を受け入れていて、ガイドがナパ・ヴァレーの歴史やワインの醸造工程などを解説してくれるところも。基本的に有料ですが、貴重なワインをテイスティングできるなど、訪れた人だけのプレミアムな体験ができます。

上空からの美景を思う存分堪能する気球ツアー

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美しいブドウ畑は車窓からも楽しめますが、絶景がお目当てなら上空から眺めるというのはいかがでしょう。南北約50km、幅は最長8kmほどの細長い土地にブドウ畑が連なる様子は圧巻。そんなダイナミックな景観は、ナパ・ヴァレー名物の気球ツアーに参加すれば見られます。

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気球が飛び立つのは、早朝、まだ暗いうち。気球がゆっくり上昇していく浮遊感と胸の高鳴りが重なります。やがて眼下に広がるブドウ畑が太陽の光を浴びて鮮やかに浮き上がり、まるで映画のワンシーンのよう!

朝晩の気温差が激しいナパ・ヴァレーでは、朝に霧が発生することが多く、霧の上から渓谷を見渡すというのもドラマチック。約1時間のフライトを終えて戻ってきたら、スパークリングワインで乾杯。時刻はまだ7時過ぎ…優雅な休日の始まりです。

かわいい建物が並ぶナパ・ヴァレーの小さな街巡り

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気球はナパ・ヴァレーの北端にあるカリストガという街から飛び立ちます。カリストガの街中には小さなレストランやカフェ、ブティックが並び、のんびり散策するのにちょうどよい大きさ。温泉地としても知られており、スパを併設したホテルがいくつもあります。

ホテルに宿泊して、スパ&ワイナリー巡りというのも楽しい選択肢のひとつ。温泉やサウナ、マッサージを堪能できるほか、ミネラル豊富なマッドバス(泥風呂)も名物です。泥で満たされたバスタブに入り、顔には泥パックという泥まみれのスパ。スパのみの利用もできるので、サンフランシスコからの日帰りで訪れてもいいでしょう。

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ナパ・ヴァレーには、カリストガ以外にもオークビルやヨントビル、セント・ヘレナなどの街が点在し、かわいい建物が並ぶ街を巡るドライブもおすすめ。これらの街は全米きってのグルメエリアとして知られています。ミシュランのスターシェフが織りなすクリエイティブな一皿とワインの驚くべきマリアージュに出合えるかもしれませんよ。

Photo/Visit California David Collier

街巡りの中心となるのはナパのダウンタウン。川沿いにレストランやショップ、ホテルが集まり、活気のある街は散策するのにぴったりです。

お腹がすいたらオックスボー・パブリック・マーケットに立ち寄ってみましょう。フードコーナーには、フレッシュな生牡蠣や肉厚のステーキ、窯焼きピザなどが並びます。各店のカウンターで料理をオーダーして、好きなテーブルで食べるスタイル。チーズとワインの店もあるので、ワインを片手にテラスでブランチなんていう過ごし方もいいですね。

ワインを片手に旬の味覚を楽しむ豪華列車の旅

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Photo/Napa Valley Wine Train

ナパのダウンタウンは、ナパ・ヴァレー・ワイントレインの出発地でもあります。これは100年以上前に造られたレトロな車両でブドウ畑の中を走る大人気の観光列車。ダウンタウンの駅から北のセント・ヘレナまで、往復約58kmを2~3時間かけてゆっくり走ります。

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Photo/Napa Valley Wine Train

100歳を超えるヒストリカルな列車は美しく改修され、マホガニーの壁や真鍮の装飾、ベルベッドのソファなどラグジュアリーな雰囲気が漂います。

ワイントレインには1日ツアーのほか季節限定やアフタヌーンティーなどさまざまなコースが用意されています。最もスタンダードなのは食事付きのツアー。窓からブドウ畑を望むランチコースのほか、土曜には夕日を眺めながら食事を楽しむディナーコースも用意されています。

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Photo/Napa Valley Wine Train

食事付きツアーは2つの車両から選べます。眺望のよさを優先するなら、窓が大きくとられたビスタドーム(展望車両)がおすすめ。高級感のある車両は、1952年製のプルマン車両を改修したものです。食事は前菜、スープ&サラダ、メインディッシュ、デザートから1品ずつ選ぶスタイル。グラスのスパークリングワインが付いていますが、あとは好きなワインをオーダーし、景色を眺めながら優雅な時間に酔いしれます。

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Photo/Napa Valley Wine Train

もうひとつは1915年に造られたプレミア車両を改修したグルメ・エクスプレス。こちらは高級列車の食堂車といった雰囲気で、婉曲した天井や窓のランプなどがノスタルジックな装い。往路で食事をとるグループと復路で食事をとるグループに分かれ、食事をとっていないときはラウンジカーで過ごします。食事は前菜、メイン、デザートの3コースです。

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Photo/Napa Valley Wine Train

ワイントレインの料理は地元の新鮮な食材を使ったカリフォルニアキュイジーヌ。列車内のキッチンカーで作られ、できたてがサーブされます。キッチンはガラス張りになっていて、ライブ感あふれる調理風景を見学することもできます。もちろんワインはカリフォルニア産が中心。約40種類のワインを揃え、ボトルやグラスで楽しめます。

145年以上の歴史をもつ老舗ワイナリー

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ナパのダウンタウンを出発したワイントレインが目指すセント・ヘレナには、いくつものワイナリーがあります。そのひとつベリンジャー・ヴィンヤーズは、1876年にベリンジャー兄弟によって創業されたナパ・ヴァレー最古の老舗ワイナリー。ワイン専門誌『ワインスペクテーター』のワイン・オブ・ザ・イヤーを、赤ワインと白ワインの両方で受賞するなど世界的に高い評価を受けています。 1884年に完成したラインハウスはワイナリーのシンボル。外壁の石組みやステンドグラスの窓などが美しい建物は、アメリカの歴史遺産に指定されています。 カリフォルニアのワインは、多くをシャルドネとカベルネ・ソーヴィニヨンが占めていますが、ここではベリンジャー・ヴィンヤーズの2品種を紹介しましょう。

ナパ・ヴァレー シャルドネ
参考小売価格:税抜3,508円

ベリンジャーが145年以上にわたって培ってきた技術を存分につぎ込んだ完成度の高いワイン。熟したトロピカルフルーツや青リンゴ、シトラスの風味と、とてもリッチな果実味が楽しめます。華やかなフレンチ・オーク樽の香りが漂うバランスのよさも魅力です。 

 

 

ワインと巡る世界の美景旅_01 ナイツ・ヴァレー カベルネ・ソーヴィニヨン
参考小売価格:税抜5,508円

ナイツ・ヴァレーがあるのは、ナパ・ヴァレーの西に隣接したソノマ・カウンティの北部。水はけのよい畑で育ったブドウの特長を生かし、力強いフルボディのワインを生み出しました。ブラックチェリーやカシス、ミントの風味に、フレンチ・オーク樽の香りが加わり芳醇な味わいを醸し出しています。 

 

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気候・土壌ともにブドウを栽培するのに最適な条件が揃ったナパ・ヴァレー。ワインはもちろんですが、空からも陸からも美しい景色を楽しめるのも魅力です。いつか行きたい旅先リストへ、ナパ・ヴァレーを加えてみてはいかがでしょう?

ベリンジャーブランドサイトバナー

※ワインについては、記事掲載時点での情報です。