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日本を代表するソムリエ大越基裕氏が熱く語る“安曇野池田・ソーヴィニヨン・ブランとシラー 理想のマリアージュ”

今回は、安曇野池田産ブドウで造られたワインの特長と魅力について、ソムリエの大越基裕さんに語っていただきました。

日本を代表するソムリエ大越基裕氏が熱く語る“安曇野池田・ソーヴィニヨン・ブランとシラー 理想のマリアージュ”

ソムリエ大越基裕氏が「グランポレール安曇野池田」の魅力を語る!

ワインオープナー編集部 荻原:
本日は日本を代表するソムリエであり、銀座の顔として知られるフレンチの名店「レカン」で長年、シェフソムリエを務められた、日本ソムリエ界の貴公子・大越さんにお話しを伺いたいと思います。

大越さんは、ブルゴーニュワインの醸造技師の資格もお持ちで、現在、新感覚のタイ・ベトナム料理店「An Di」のオーナーであり、株式会社ディ・ヴァン・クロ代表取締役も務めています。

―大越さんは長野県で栽培されるワイン用ブドウについてどのような印象を持たれていますか?

大越:
世界基準で考えると、インターナショナルなブドウ品種でどこまでその国らしさを出していけるかというのが重要なポイントになると思います。長野県では昔からアメリカ系品種が有名ですが、ヨーロッパ系で国らしさ、地域らしさを出していくのがワインの本質につながっていくでしょう。

長野県は、シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローといった世界的に有名な品種で、クオリティの高いブドウを生産できる土地です。特にシャルドネの栽培では早くから成果を出していますね。日本らしさを出していける産地というイメージが強く印象づけられていることが、長野県にワイナリーが増えている理由になるんだと思います。

―安曇野池田のワインの特長について教えてください。

大越:
長野県は、暑い日本において非常に風通りが良く涼しい土地。いわゆる世界的に注目を集める「クール・クライメイト」な土地です。こうした土地のブドウは、熟度は完熟まではくるけど過熟までいかない、酸もフレッシュに保たれたまま清涼感を持ち合わせたブドウとしてできあがります。

そうした風土により、シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨンが上手くいってるので、ソーヴィニヨン・ブランやシラーにも産地の特長がよく出るんじゃないかと思います。

グランポレール安曇野池田ソーヴィニヨン・ブランについて

-安曇野池田ソーヴィニヨン・ブランの特長を教えてください。

大越:
香りのトーンは非常に穏やか。世界的にはグーズベリーやパッションフルーツなど、アロマティックでむせかえるような香りの特長をもつものが多いのですが、それとは真逆に香りを抑制しているのが特長的です。またレモンやライムといった、柑橘系のフレッシュな香りを感じられ、さわやかな清涼感を感じられます。

日本を代表するソムリエ大越基裕氏が熱く語る“安曇野池田・ソーヴィニヨン・ブランとシラー 理想のマリアージュ”

味わいは、割と厚みがある印象です。ミディアムからミディアムライトという感じですが、しっかり味わわせるだけの凝縮感を感じられます。そうした厚みを感じる一方で、酸はフレッシュですね。中盤から余韻にかけて、味を引っ張る酸の清涼感がありますが、果実感が抑えられているせいか、余韻に少し塩気があり、わずかなほろ苦さを楽しめます。

―家庭で楽しむなら、どんな料理との組み合わせが良いでしょうか。

大越:
ソーヴィニヨン・ブランには冷菜を合わせるのが定番です。私も普段は冷菜をおすすめすることが多いんですが、今回はあえて温かいものも良いと思います。おすすめは「あさりと三つ葉の白ワイン蒸し」です。あさりの優しい味わいと、ソーヴィニヨン・ブランの塩気や苦みとのバランスが、素晴らしいマリアージュを生み出します。

アサリと三つ葉の白ワイン蒸し~エスニック風味~

日本を代表するソムリエ大越基裕氏が熱く語る“安曇野池田・ソーヴィニヨン・ブランとシラー 理想のマリアージュ”

材料(2人分)
アサリ        300g
三つ葉        1束
玉ねぎ        1/4個
鷹の爪(輪切り)   1本
ニンニク       1片
白ワイン       大3
ナンプラー      大1
オリーブオイル    大1

作り方
1.アサリは水の入ったボールの中で殻どうし擦り合わせてしっかり洗い、50度のお湯に浸けて塩抜きをする。三つ葉は食べやすい長さに切り、ニンニクはみじん切りにする。
2.鍋にオリーブオイル、ニンニク、鷹の爪を熱し、香りが出たら玉ねぎ、アサリを入れてサッと炒め、白ワインを加えて蓋をする。
3.アサリの殻が開いたら蓋をとり、ナンプラーを回しかけて味を調える。器に盛りつけ、三つ葉を乗せレモンを添える。

※塩抜きは50度のお湯に浸けると、水よりも短時間で塩抜きが出来ます。
※料理&レシピ 料理研究家/フードコーディネーター 福島さやかさん作成

グランポレール安曇野池田シラーについて

―安曇野池田シラーの特長を教えてください。

大越:
私は安曇野池田にシラーがあると聞いたときに、正直に言って興奮しました。国内ではメルローとカベルネ・ソーヴィニヨンは結構良いものがあるんですが、正直シラーはまだまだだと思っていたんです。しかしシラーを作るというだけでも素晴らしい試みだと思いますし、本当にいいものができる可能性は信じていますので、この先を一番期待している品種といえます。

日本を代表するソムリエ大越基裕氏が熱く語る“安曇野池田・ソーヴィニヨン・ブランとシラー 理想のマリアージュ”

シラーは暑い地域で栽培される品種ですが、最近ではフランス・ローヌの涼しい地域、オーストラリアのバロッサでは高い標高の地域といったクール・クライメイトな場所での栽培が行われています。暑い地域で育ったシラーはアジアンスパイス、ミックススパイスのような香りになりますが、冷涼な産地で育ったシラーはブラックペッパーのような強いペパリーな香りがするのが特長です。

安曇野池田のシラーは、冷涼な産地でほどよく熟しているからこそ、果実はブラックチェリーのような青みを帯びたハーブの香り。ワインは強いペパリーな風味の中に、甘い香りが含まれています。口に入れたときのまとまり具合や口当たりは柔らかさを残しますが、輪郭がブレない凝縮感はしっかりとしています。

―どんな料理との組み合わせが良いでしょうか?

大越:
安曇野池田シラーにおすすめしたいのは「合鴨スモークと焼きねぎの和風ラビゴットソース」です。安曇野池田シラーは凝縮感をもちつつも、タンニンの強さはほどほど。脂を削るほどの強さはなく、酸がきれいに伸びてきます。なので少し噛み応えがありつつも、油脂分はそれほど無い鴨肉との相性は抜群です。

今回はブラックペッパーを使っていますが、山椒とも相性が良いですね。山椒独特のスパイシーさが、面白いハーモニーを演出してくれます。

合鴨スモークと焼きねぎの和風ラビゴットソース

日本を代表するソムリエ大越基裕氏が熱く語る“安曇野池田・ソーヴィニヨン・ブランとシラー 理想のマリアージュ”

材料(2人分)

合鴨スモーク(市販品)  1個
長ねぎ          1/2本
玉ねぎ          1/8個
赤パプリカ        1/8個
パセリ(ドライパセリ)  適量
※A
醤油           大1
レモン汁         大1
だし汁          大1
オリーブオイル      大1/2
黒胡椒          少々

作り方
1.合鴨スモークは7㎜幅の斜め切りする。
2.長ねぎは合鴨の幅に合わせて切り、フライパンにオリーブオイルを入れ、弱火でじっくり転がしながら焼く。
3.玉ねぎ、赤パプリカを粗みじん切りにしてボールに入れ、※Aを加えて混ぜ合わせる。
4.合鴨スモーク、長ねぎをお皿に並べ、③をかけ、パセリのみじん切りを添える。
※料理&レシピ 料理研究家/フードコーディネーター 福島さやかさん作成

ワインオープナー編集部 荻原:
今回は安曇野池田のチャレンジともいえるワイン2種、 ソーヴィニヨン・ブランとシラーについて語っていただきました。

香りを抑制し、しっかりとした味わいを際立たせたソーヴィニヨン・ブランと凝縮感がありつつも重すぎない口当たりと、香り立つペパリーな風味をもつシラーは、どちらも魅力的ですよね。

これを機会に、長野県の冷涼な風土で育まれた安曇野池田産ブドウのワインを、ぜひお料理と一緒にお楽しみください。

グランポレールのワインについて、詳しく知りたい方はこちら
「グランポレール|公式ブランドサイト」

「グランポレール安曇野池田」については、以下の記事でも詳しくご紹介しています。
「ブドウ栽培家・石原大輔氏が語るグランポレール安曇野池田産ブドウが育むワインの現在と未来」

次回は、日本の固有ブドウ種・甲州種と甲斐ノワール種の魅力と理想のマリアージュを大越ソムリエにお伺いしたいと思います。

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