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【インタビュー】日本ワインの理想郷!「安曇野池田ヴィンヤード」の魅力に迫る!

サッポロのプレミアム日本ワイン、「グランポレール」。同ブランド最高峰のブドウを生み出す産地が、長野県に位置する「安曇野池田ヴィンヤード」。今回、ワインオープナーでは安曇野池田ヴィンヤードの重要人物である二人にインタビュー。安曇野池田ヴィンヤードからなぜ、日本トップクラスのワインが生まれているのか、その魅力に迫ります。

グランポレール 安曇野池田ヴィンヤード、安曇野池田ヴィンヤードに立つ栽培責任者 石原大輔、安曇野池田シリーズのワインボトル、ワインボトルを持つグランポレールチーフワインメーカー 工藤雅義

 

インタビュー概要

今回、安曇野池田ヴィンヤードについてインタビューしたのは、グランポレールチーフワインメーカー 工藤雅義と安曇野池田ヴィンヤード栽培責任者 石原大輔。石原にはリモートで参加してもらいました。

長年ワイン造りに携わってきた工藤、土地の個性を最大限発揮できるように栽培管理を尽くすことを心がけている石原に、安曇野池田ヴィンヤードの魅力をたっぷりと語ってもらいました。

日本最高峰のワインが生み出される産地、安曇野池田ヴィンヤード。その秘密に迫ります!

安曇野池田ヴィンヤード なぜ最高品質のブドウが生み出されるのか

青空とグランポレール 安曇野池田ヴィンヤード

グランポレールは、「北海道・余市」、「長野」、「山梨」、「岡山」といった“4つの産地”でブドウ栽培がおこなわれています。長野県に位置する安曇野池田ヴィンヤードで、収穫されるブドウの品質は最高峰。そのブドウの特長、高い品質になる理由から聞きしました。

●「キレイな酸味」と「凝縮感」

―――グランポレールチーフワインメーカー 工藤雅義(以下、工藤)

安曇野池田ヴィンヤードは、560から630mといった標高が高い場所に位置しています。夏の成熟期の夜温が低くなるため、黒ブドウ、白ブドウ問わず酸味がキレイに出ることが特長です。

グランポレール 安曇野池田ヴィンヤードの魅力を語るグランポレールチーフワインメーカー 工藤雅義

それに加えて石ころが多く水はけが良いことからブドウに水分ストレスがかかり、黒ブドウの着色が良くなります。タンニンのバランス、ポリフェノールの成熟状態も良い。黒ブドウ、白ブドウ問わず最高の畑といえます。

―――安曇野池田ヴィンヤード栽培責任者 石原大輔(以下、石原)

工藤さんがおっしゃるように、安曇野池田ヴィンヤードのブドウは酸味がしっかり残りやすく、凝縮感が出やすいといった特長があります。

グランポレール 安曇野池田ヴィンヤードの魅力をオンラインで語る安曇野池田ヴィンヤード栽培責任者 石原大輔

畑から3,000m級の北アルプスが見えるのですが、そこから運ばれてきた石や砂、粘度などが適度に混ざり合った土壌といったところも、水はけの良さに関連していると思いますね。

あと、山の斜面、つまり傾斜地に畑があるところも理由です。また、土が痩せていることで、色も濃く、凝縮感のあるブドウが収穫できると考えています。

―――工藤

凝縮感といえば、忘れてはいけないのが収量でしょう。例えば、ヨーロッパであれば1ha当たり7トンほどの収量があるといわれていますが、安曇野池田ヴィンヤードは4トンほど。他の産地と比較してもブドウの粒が小さく、収量も少ないことが凝縮感に繋がっていると思います。

じつは、安曇野池田ヴィンヤードは我々が所有する畑の中で最も新しい場所なんです。「長野古里ぶどう園」として1975年に開園。その後長年に渡り私たちが経験してきたことの全てが注ぎ込まれた場所してオープンしたのが、“安曇野池田ヴィンヤード”です。

高い標高、冷涼な産地、理想的な土壌、最初から垣根仕立てなど、私たちの今まで培ってきた知見から生み出された畑ですので、最高のブドウが生まれるのは自然なことと考えています。

●「健全」さにこだわる

安曇野池田ヴィンヤードでの栽培についてのこだわりなどについて聞きしました。

グランポレール 安曇野池田ヴィンヤードでブドウを確認する安曇野池田ヴィンヤード栽培責任者 石原大輔

―――石原

まず、私たちが大切にしているのが、“ブドウを健全に育てる”ことです。もともと恵まれている土地だとは考えているのですが、その環境から生み出される個性を生かしていくためには、健全に育てることが重要だと考えています。

また、農薬もむやみに使うのではなく、ブドウが健全に育つことを目的に使用しています。もちろん、新型の草刈機を使ったり、除草剤を使用しない取り組みなど減農薬への取り組みもおこなっていますよ。

―――工藤

ワイナリーの観点からも、ブドウを健全に育てることが重要だと思っています。ブドウの本質的な品質というのは栽培環境で決まってきます。健全であることこそ、その産地の個性をあらわす重要な要素ではないでしょうか。

また、健全であるメリットはワイナリー側が収穫時期を自由に決定できるところにあります。逆に健全ではないブドウだと求めている品質ではないのに収穫時期を決めなければいけないなど、出来上がるワインの品質にも悪影響を与える可能性があるんです。

―――石原

安曇野池田ヴィンヤードでの作業には大変な部分もあります。寒暖差や石が多いことはブドウにとっては良いことなのですが、人間にはなかなかハードな環境。

とくに以前草刈りの時などに石を拾う作業を栽培者の私たちが手作業でおこなうのですが、メンバーの中では、“ツラい作業ベスト3”にランクインされています。(笑)

上から眺めるグランポレール 安曇野池田ヴィンヤード

●成長するヴィンヤード

安曇野池田ヴィンヤードがオープンしてから10年以上が経過しました。オープン当初と比較して、今安曇野池田ヴィンヤードはどのように成長したのでしょうか。

――工藤

間違いなく安曇野池田ヴィンヤードは成長していますね。2016年頃からでしょうか。品種のアロマの特長が、年々しっかりと出るようになってきました。

もちろん、安曇野池田ヴィンヤードでの栽培経験値が高まっていることも関連するでしょうが、ブドウ自体の品質が、作業経験値より早いスピードで上がってきているような気がします。正直、びっくりするほどですね。

―――石原

ブドウ樹が成長してきています。工藤さんがお話したように、品種個性がよく出てくるようになって、ワインの味わいも変わってきました。収量も増え始めましたし、収穫期が変わってきた品種もあります。

例えばカベルネ・ソーヴィニヨン。ゆっくりと熟した方が複雑な香りが出やすくなりますし、タンニンがより熟してなめらかな渋みとなります。これからの成長も楽しみです。

グランポレール 安曇野池田 ワイン醸造について

グランポレールイメージ

グランポレールには、大きくわけて3つのシリーズがあります。

★シングルヴィンヤードシリーズ 〜単一畑の個性が輝くトップキュヴェ〜
★プレミアムシリーズ 〜バラエティ豊かな4産地の個性を表現したワイン〜
★スタンダードシリーズ ~ブドウの個性を生かし、ベストなバランスを追求したワイン~

安曇野池田ヴィンヤードで収穫されたブドウは、主にトップキュヴェにあたる「シングルヴィンヤードシリーズ」に使用されています。

安曇野池田ヴィンヤードのブドウは、どのようなこだわりをもって醸造されているのでしょうか。「醸造」にフォーカスしてお二人にお話をお聞きしました。

●ブドウに合わせて醸す

グランポレール 安曇野池田ヴィンヤード栽培責任者 石原大輔とオンラインで話すグランポレールチーフワインメーカー 工藤雅義

安曇野池田ヴィンヤードのブドウは、特別な醸造法で醸されているのでしょうか。

―――工藤

まず、グランポレールはブドウに合わせた醸造が基本です。そのため、ほかの産地のブドウと安曇野池田ヴィンヤードのブドウもその基本的な姿勢は変わりません。ほかのブドウと同様、安曇野池田ヴィンヤードのブドウも十分に手間ひまをかけ、大切に醸しています。

ちなみに、安曇野池田ヴィンヤードの中でも素晴らしい品質のブドウはトップキュヴェとして使用されますが、当然品質は高いもののトップキュヴェの条件に合わなかったブドウなども出てきます。

そういったブドウの一部は、「プレミアムシリーズ」の〈長野メルロー〉や〈長野シャルドネ〉に使用しているので、“安曇野池田を手軽に試してみたい”という方はここから始めてもいいかもしれませんね。

―――石原

シングルヴィンヤードシリーズに使用されるブドウについては、とくに区画などを固定しているわけではないのですが、毎年同じような区画から同シリーズに使用されるブドウが収穫されています。

糖度の上がり方や健全性、生育が揃っているなど、こういったバランスの良さの傾向性が出始めているところは興味深いところです。

●ブドウの個性をシンプルに表現する

グランポレール 安曇野池田 シラー ワインボトルのアップ

安曇野池田ヴィンヤードでは、シャルドネやシラーなど「国際品種」と呼ばれるブドウが栽培されています。醸造スタイルとしては、海外産ワインを目指したものなのでしょうか。

―――工藤

海外産ワインのような味わいを目指す、ということはありません。私たちは産地の個性を生かすワイン造りを大切にしているので、安曇野であれば、“安曇野池田ヴィンヤードの個性を生かしたワイン”という醸造を心がけています。

そもそもグランポレールの醸造自体はとてもオーソドックスなスタイルで、ワインを濃くしたりするような技術なども利用しません。要するに、海外産ワインの味に近づけるためにブドウをねじまげる…というようなことは一切していないということです。

また、先にお伝えしたように原料となるブドウは健全な状態であることが前提ですので収穫時期などをこちらで決められます。つまり、ヴィンテージによる影響で醸造スタイルを大きく変化させる…ということもないんですね。もちろん、ヴィンテージによる良さは生かしますので、最終的なブレンド時などで調節して個性を表現することはあります。

―――石原

ブドウの個性をしっかりと出してくれる醸造スタイルですので、私たちはより頑張らなければならないと感じています。

“ブドウが第一”という考え方がグランポレールのワインです。そのブドウの個性を最大限発揮するために、これからも努力していきたいと思っています。

●チャレンジしたいこと

パソコンを前に話すグランポレールチーフワインメーカー 工藤雅義

今後、お二人が安曇野池田ヴィンヤードのワイン造りにおいてチャレンジしてみたいことはなんでしょうか。

―――工藤

今まで安曇野池田ヴィンヤードでは単一品種でやることが多かったのですが、それを少し変えてもいいかもしれないと考えています。

私たちの商品に、〈メリタージュ〉というワインがあるのですが、これはカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローのブレンドで造られているものです。安曇野池田ヴィンヤードでも、こういったブレンドから生み出されるワインがあっても面白いかもしれませんね。

―――石原

10年間栽培に携わらせていただいている中で、安曇野池田ヴィンヤードの区画ごとに一定の傾向が見えるようになってきました。畑ではなく“区画”に特化したワインを作っても面白いのではないでしょうか。もちろん、私個人の興味ですが…。

グランポレール 安曇野池田 ワインのテイスティング

グランポレール 安曇野池田シリーズ 赤と白のワインボトル

安曇野池田ヴィンヤードから収穫されたブドウを使用した二種類のワインをテイスティング。さらに、それぞれ2つのヴィンテージを飲み比べした上でコメントをもらいました。

今回お二人にテイスティングいただくのはこちらのワイン。

白ワイン
・グランポレール 安曇野池田 ソーヴィニヨン・ブラン 2017
・グランポレール 安曇野池田 ソーヴィニヨン・ブラン 2018

赤ワイン
・グランポレール 安曇野池田 シラー 2015
・グランポレール 安曇野池田 シラー 2016

グランポレール 安曇野池田 ソーヴィニヨン・ブラン

横に並んだグランポレール 安曇野池田 ソーヴィニヨンブラン ワインボトル2本

―――工藤

2017年、2018年共に醸造方法は変わりません。

2017年は気温が低いヴィンテージだったこともあり、酸味がキレイに残っているのが印象的ですね。白桃の香り、白い花、青いハーブのニュアンスも感じます。

比較して、2018年。酸味は穏やかで、果実の成熟感と黄色いニュアンスの香りが特長的です。

安曇野池田 ソーヴィニヨン・ブランは、まだまだ熟成させたいですね。それだけのポテンシャルを持っているワインだと思います。

チーフワインメーカー工藤を背景に立つグランポレール 安曇野池田 ソーヴィニヨンブラン ワインボトル2本

―――石原

2017年と2018年は対照的な気象でした。2017年は夏場、成熟期に気温がかなり低かったため酸味の減少が緩やかで、ゆっくりと熟したヴィンテージ。一方、2018年は逆に気温が高く急激に熟したヴィンテージ。

双方に安曇野池田ヴィンヤードのソーヴィニヨン・ブランらしい白桃のアロマがありますね。2017年は上品な印象で、2018年も1年熟成させたらいろいろと風味も変わってきそうな予感がします。

・グランポレール 安曇野池田 ソーヴィニヨン・ブラン 2018

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グランポレール 安曇野池田 シラー

横に並んだグランポレール 安曇野池田 シラー ワインボトル2本

―――工藤

シラーは2015年と2016年ですが、この二つのシラーには大分違いがあります。基本的な醸造工程は一緒なのですが、決定的なのは樽使いの違いです。

2015年は新樽比率が30%、2016年は10%に下げています。じつは、2016年からグランポレール全体で新樽の使用比率を下げており、その違いがこの二本に如実にあらわれています。

まず、2015年はシラーの命ともいえるスパイシーさ、果実の感じがよく出ています。

一方の2016年は、冷涼なヴィンテージだったことから酸味がしっかりとしながらもタンニンはなめらかといった、“クール・クライメイト・シラー”の特長。樽の使い方を変えていることから、樽由来のチョコレートのようなニュアンスも感じますね。

シラーらしい果実感が欲しい方は2015年、樽の繊細なニュアンスも欲しいという方は2016年を選んでいただくとよいのではないでしょうか。

パソコンを前に談笑するグランポレールチーフワインメーカー 工藤雅義

―――石原

2015年は生育期間の気温が少し低く、16年は高めといった特長があります。ただ、2015年は9月に入ってから晴れの日が多かったことから、日照量は2015年が多い結果となりました。

両ヴィンテージ、安曇野池田の特長であるコショウのようなスパイシーな香りが出ていると感じましたが、2015年の方がやや強めに感じますね。きめ細やかな印象は2016年でしょうか…。

両方、凝縮感があり、それぞれの良さを楽しめると思います。

 

・グランポレール 安曇野池田 シラー 2016

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安曇野池田ヴィンヤードに期待すること

オンラインで談笑するグランポレール 安曇野池田ヴィンヤード栽培責任者 石原大輔

最後に、今後お二人が安曇野池田ヴィンテージに期待することを聞きしました。

―――工藤

ブドウ栽培における我々の知見を集めてオープンさせた、安曇野池田ヴィンヤード。その安曇野池田ヴィンヤードで、また新しく出てきた知見を生かしていきたいと思っています。良い区画があれば生かしていきたいし、新しく商品化が検討できるなら積極的にやっていきたいですね。

安曇野池田ヴィンヤードはトップキュヴェのヴィンヤードならではの役割を担った場所ですので、それを生かしたワイン造りができることを期待しています。

―――石原

年々品質が高まっている安曇野池田ヴィンヤードですが、もともとブドウ栽培において恵まれた場所でもあります。しかし、その環境に満足することなく、工夫しながらブドウの品質をより上げていきたいです。

グランポレールシリーズのトップキュヴェのブドウを生み出す場所として、これからも品質的にブランドを引っ張っていける場所であり続けてほしいと思っています。

グランポレールの公式ブランドサイトはこちら

 

グランポレール 安曇野池田ヴィンヤードに立つ安曇野池田ヴィンヤード栽培責任者 石原大輔と安曇野池田シリーズのワインボトルを持つグランポレールチーフワインメーカー 工藤雅義

グランポレールを初めて知った方、飲んだことはあるけれども安曇野池田のワインは知らなかったなど、さまざまな方に向けて2人から一言ずつもらいました。

―――石原

普段ワインを飲まれない方や海外産ワインをメインに飲まれている方に驚いていただける品質のワインを作っています。ぜひ、お試しください。

―――工藤

日本ワインが今、どれだけの位置にいるのか“安曇野池田”のワインを飲んでいただければ分かると思います。日本の食事に合わせやすい日本ワインを特別なものと捉え過ぎず、気軽に飲んでいただきたいです。

 

 

日本ワインの進化と実力を、「グランポレール 安曇野池田」シリーズで確かめてはいかがでしょうか。

・グランポレール 安曇野池田 ソーヴィニヨン・ブラン 2018

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・グランポレール 安曇野池田 シラー 2016

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グランポレールチーフワインメーカー 工藤 雅義と安曇野池田ヴィンヤード 栽培責任者 石原 大輔のインタビュー、いかがでしたか。グランポレールのトップキュヴェである安曇野池田はまだまだ進化し続けます。これからもご期待ください。

 

※ワインについては、記事掲載時点での情報です。