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2015年チリワインが日本でワイン輸入量第1位に
リーズナブルな価格で購入できるチリワインは、品質の高さもあいまって日本でも大人気です。
どうしてそんなにチリワインは安くておいしいの?今回は、その理由をご紹介します。
世界的に見ると、ワインの生産量は毎年フランスとイタリアが首位を争っています。日本に輸入されるワインもフランス産とイタリア産が多いのですが、意外にも1位は別の国なのです。
2015年に日本でワイン輸入量第1位になったのは、なんとチリワイン!生産量ランキングでは5位で、首位のイタリアの半数以下の生産量であるチリワインが、日本では輸入量第1位に輝きました。
その理由は、輸入関税の低さにあります。2007年に締結された日本とチリのEPA(経済連携協定)によって、チリワインの関税を段階的に低く、最終的にゼロにすることが決定しています。2016年には5.8%かかっていた関税が、2019年には完全にゼロになる予定です。
他国からの輸入ワインに15%の関税がかかっていることを考えると、チリワインの驚くほどの手頃さも頷けますね。安いものなら、ワンコインで買うこともできます。
しかし、チリワインが選ばれている理由は、その品質の高さも挙げられます。
チリワインが高品質だといわれる理由はいくつかあります。
まず、チリはヨーロッパに比べると雨量が少なく、日照時間の長い国です。また西は太平洋、東はアンデス山脈からの冷涼な風の影響を受け、「暑くなり過ぎない」というブドウ栽培には欠かせない環境を造り出してくれます。
この環境で育つチリのブドウは、ワイン向きの高品質な熟度の高いものになります。
また、チリのブドウはほとんどが手摘みでの収穫。そのためブドウに傷がつきにくく、かつ収穫時にすでに質の悪いものは避けて収穫することができます。
そして、チリは南北に細長い国なので、各地に様々な気候条件が形成されます。つまり、ブドウ品種それぞれに最適な気候・風土が存在するということ。
最適な土地で、ブドウ品種の特長を最大限に引き出したワインが造られるのです。そのため、チリワインは1つのブドウ品種で造られているものが多くあります。
それぞれ品種の良さを手軽においしく楽しめることも魅力の1つではないでしょうか。
主なブドウ品種
ブドウの良さが際立つチリワイン、実際にはどのような品種が栽培されているのでしょうか。主要品種の特長についてみていきましょう。
・黒ブドウ品種
チリで栽培量が最も多い品種はカベルネ・ソーヴィニヨン種です。全体の約30%を占めています。
カベルネ・ソーヴィニヨン種と同じく、ボルドーから持ち込まれた品種にはカルメネール種とメルロー種があります。実は、カルメネール種はボルドーではすでに栽培されていない品種。それがチリで栽培され、ワインとなって飲めるというのは少し不思議ですよね。
実は、チリではカルメネール種をメルロー種と勘違いしたまま長年栽培されており、発見されたのは1994年のこと。しかもそれまでカルメネール種は熟されずに利用され、香りも現在とは異なっていたそうです。
この出来事はとても珍しく、ソムリエの試験にもでるほど。しっかりと熟したカルメネール種はまろやかなタンニンと豊かな果実味が特長です。
そしてメルロー種は、ジャムのように香るワインを造ります。近年はチリの中でも冷涼な地域で栽培されています。その他、パイス種、シラー種、ピノ・ノワール種、マルベック種、カリニャン種などの黒ブドウもチリで栽培されています。
パイス種は、かつてはチリのブドウ畑に多く植えられていましたが、21世紀より徐々に面積を減らしています。近年、素晴らしいスパークリングワインや軽快な赤ワインが誕生してまた注目されてきています。カリニャン種も栽培面積のごく少ない品種ですが、再び見直す動きが出ています。
・白ブドウ品種
チリの白ブドウはソーヴィニヨン・ブラン種、シャルドネ種が中心です。ソーヴィニヨン・ブラン種とシャルドネ種の栽培面積はほぼ変わらず、僅差でソーヴィニヨン・ブラン種が最も多く栽培されています。
チリワインの歴史について
このように数多くの品種のブドウ栽培を行っているチリ。しかし、まだまだワインというと、イタリアやフランスなどのヨーロッパのイメージが強いかもしれませんね。
では、チリワインの歴史はどれほど古いものなのでしょうか?
チリワインの歴史は16世紀にまでさかのぼり、スペイン人によってブドウ栽培が伝えられたことから始まります。
乾燥したチリの土壌は菌や害虫の被害も少なく、オーガニックワインがたくさん造られる環境が揃っています。
19世紀にヨーロッパ全土を襲ったフィロキセラという害虫被害も、チリでは無縁。多くの醸造家がその技術とともにチリへ渡り、ワイン産業が本格的に広がりをみせたのです。
当時、フランスから持ち込まれた苗木は今もなお子孫が残されており、接ぎ木せず育てられたことからフランス以上の純粋さを誇ります。
その証拠に、ヨーロッパではすでに絶滅して幻の品種といわれていたカルメネール種のブドウの木が残っているほどなのです!
近年は海外からの資本投入にて輸出も進んでおり、日本以外の国でもチリワインは愛されています。
なぜチリはフィロキセラなどの害虫被害を受けにくいのか
このように、現在チリのワインは世界中に愛されるワインとなっています。ブドウの栽培に適した地であり、しかもフィロキセラなどの害虫被害もほとんど受けずにいます。
なぜチリではフィロキセラなどの害虫被害を受けにくいのでしょうか。
フィロキセラは、19世紀にアメリカのブドウの木がヨーロッパに持ち込まれたことが原因で広まりました。フィロキセラの耐性がなかったヨーロッパのブドウの樹は、壊滅的な被害を受けます。フィロキセラは、フランスを中心にヨーロッパ全土のブドウを根絶やしにする害虫になってしまったのです。
ところが、チリのブドウの木はフィロキセラが広まる前のヨーロッパから持ち込まれたもの。そのためフィロキセラの害を受けずに現在まで育つことができました。さらに、チリの気候や地形、土壌などがフィロキセラを寄せ付けにくいことに加えて、チリのSAG(農業牧畜庁)が病害虫を厳戒態勢で管理しているため、チリではブドウがより安全な環境で栽培されているというわけです。
チリワインの歴史にこんな奇跡があったなんて!チリワインとフィロキセラについて、さらに詳しい情報はこちらをご覧ください! 記事:「ワインの歴史を変えた!?ブドウの天敵!害虫「フィロキセラ」の恐ろしさ」
チリワインの価格とおいしさの関係
フィロキセラの害も受けず、フランスワインの良さも取り入れているチリワイン。高品質なのに全体的にお得感のある価格帯が魅力です。チリはフランスのようにワインの醸造についての細かな取り決めがありません。
そのため新たにワイン造りに挑戦しやすく、新しい醸造方法も積極的に取り入れられる環境が整っています。
伝統にとらわれず、しかも世界中のワイン好きに低価格でおいしいワインを提供できる。そのため、チリでは様々なタイプのワインが次々と誕生しています。
しかしその分、「結局どれを選んだら良いの?」と迷ってしまいますよね。
1つの目安として、値段を選ぶ時の指標にしてはどうでしょうか? 1,000円前後で普通使いと、少し贅沢をする時と分ける、ゲストにお出しするなら2,000円前後と決めても良いかもしれません。
おすすめは、1つのワイナリーの異なる価格帯のワインを試してみること!
例えば、チリでの販売数量No.1のワイナリー、サンタ・リタ。あの幻の品種と呼ばれた「カルメネール」は、サンタ・リタ・グループの畑で発見されました!
こちらのワイナリーは、1,000円前後のワインはスリーメダルズからヒーローズやシェント・べインテ、2,000円前後であればレセルバやメダヤ・レアルなどがおすすめ。
よりプレミアムなラインナップもあり、1つのワイナリーで多くのワインを楽しむことができます。
ワインの味を決めるのは、ブドウの品種、生産地、そして造り手ですが、自分にとって合う品種と合わない品種を探すのにうってつけ。
リーズナブル価格帯でもほとんどのブドウの品種を試すことができるので、まずは自分好みの系統を見つけてみましょう!
チリのおすすめワインをご紹介
ここからは、先ほど少しご紹介したワインの特長やその他おすすめのチリワインを紹介していきます。伝統と革新の中で個性がキラリと光るチリワインの中から、あなただけのお気に入りを見つけてみてくださいね。
サンタ・リタ
130年以上の歴史があり、確かな実力で選ばれ続けているワイナリー。それがサンタ・リタです。チリの国民のみならず、世界中のソムリエたちから選ばれるサンタ・リタのワインを、自宅でも味わってみませんか?
・サンタ・リタ カーサ・レアル・カベルネ・ソーヴィニヨン(参考小売価格:税抜8,000円)
http://www.sapporobeer.jp/product/wine/T463/index.html
購入はこちらから(外部サイトにリンクします)
まずは、サンタ・リタの最上級ワイン「カーサ・レアル・カベルネ・ソーヴィニヨン」からご紹介します。
甘味も感じられますが力強い仕上がりのワインで、タンニンとのバランスも良く、上品な味わいの一本。ブドウ品種はカベルネ・ソーヴィニヨン種を使用しており、中でもブドウの品質が良い年に造られる限定ワインです。濃い味付けやスパイシーな料理などと合わせて飲むのがおすすめです。
・サンタ・リタ 120(シェント・ベインテ)カルメネール(参考小売価格:税抜1,200円)
http://www.sapporobeer.jp/product/wine/LA83/index.html
購入はこちらから(外部サイトにリンクします)
深いタンニンと心地良い口当たりを楽しめる「120(シェント・ベインテ)カルメネール」。ミディアムボディのしっかりとした余韻にしっかりとした果実のアロマで、飲んだ後の充実感が楽しめるワインです。
このワインに使われている品種は、かつて再発見され世界を驚かせたあのカルメネール種。実はサンタ・リタのブドウ畑で見つかったものだったのです。
コクのあるソースと良く合いますので、ビーフシチューやミートソースパスタと合わせて、カルメネール種の味と香りをじっくりと楽しんでみてください。
・サンタ・リタ 120(シェント・ベインテ)ソーヴィニヨン・ブラン(参考小売価格:税抜1,200円)
http://www.sapporobeer.jp/product/wine/T459/index.html
購入はこちらから(外部サイトにリンクします)
ソーヴィニヨン・ブラン種らしいハーブ香を堪能できるワインです。 とてもフレッシュで、柑橘のようなアロマが感じられます。余韻も程良く、辛口なので食事との相性も抜群。シーフードや鶏肉と合わせて、冷やした120ソーヴィニヨン・ブランでさっぱりと楽しんでみてください。
・サンタ・リタ スリー・メダルズ カベルネ・ソーヴィニヨン(参考小売価格:オープン価格)
http://www.sapporobeer.jp/product/wine/LG50/index.html
購入はこちらから(外部サイトにリンクします)
こちらはデイリーに楽しめるお手頃なシリーズ、「スリーメダルズ」のカベルネ・ソーヴィニヨン。カベルネ・ソーヴィニヨン種らしいスパイシーさが食欲をそそります。赤や黒の果実のアロマにソフトなタンニン。フレッシュなのにどこか深みのある、あとを引く味わいです。
ハンバーグや焼き鳥と良く合いますので、いつもの気取らない夕食と一緒に味わってみましょう。
・サンタ・リタ スリー・メダルズ シャルドネ
http://www.sapporobeer.jp/product/wine/LG51/index.html
購入はこちらから(外部サイトにリンクします)
シャルドネ種の特長が活きた「スリー・メダルズ シャルドネ」は、フルーティーな味わいで酸味も強すぎず、飲みやすいワインとなっています。トロピカルフルーツのような魅惑のアロマ。ついつい飲みすぎちゃうかもしれません。
こちらは牡蠣や蒸し鶏と合わせて、ちょっとリッチに楽しんでみましょう。
サンタ・リタは品種そのものの味を大切にしたワイン造りをしています。そんなサンタ・リタのブドウの魅力はこちらでチェック。
「http://www.sapporobeer.jp/wine/wine_opener/article/santa_rita/」
ペリート
おいしい!しかもかわいい!といえば、チリワインの「ペリート」。その目印となるのは、ラベルに描かれた犬の顔です。ペリートとは、スペイン語で子犬を意味する言葉。子犬のように毎日かわいがって飲んでほしい、という願いが込められています。
・ペリート カルメネール(参考小売価格:税抜610円)
http://www.sapporobeer.jp/product/wine/LQ98/index.html
購入はこちらから(外部サイトにリンクします)
フルボディで芳醇な味わいのカルメネール。ブラックチェリーやチョコレートのような香りを楽しめます。口当たりはやわらかいのに、ちょっぴりスパイシー。お肉の味がたっぷり詰まったグレイビーソースをかけたローストビーフと一緒にどうぞ。
・ペリート カベルネ・ソーヴィニヨン(参考小売価格:税抜610円)
http://www.sapporobeer.jp/product/wine/MX61/index.html
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鮮やかで輝きのあるルビーレッドの「ペリート カベルネ・ソーヴィニヨン」。見た目に反して果実を凝縮したような濃さがあり、フルボディでしっかりとした味わいとなっています。まろやかで飲みやすいのが特長です。BBQでスペアリブと一緒に楽しんでみてください。
・ペリート シャルドネ(参考小売価格:税抜610円)
https://www.sapporobeer.jp/product/wine/MX67/
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シャルドネらしいさわやかさにフルーティーな果実感があり、すいすい飲めてしまう白ワインです。カルパッチョやポテトサラダなど、少し酸味のあるメニューと良く合います。
子犬のラベルがとても愛らしいですね♪ ペリートについて、もっと詳しく知りたい方はこちらからどうぞ! 記事:「ペリートのラベルに隠された秘密って!?商品ごとの特長と魅力」
まとめ
手頃な価格でおいしいから、ついつい手が伸びちゃうチリワイン。リーズナブルながら、チリワインの品質は折り紙付きです。
日本で手頃な価格で手に入るのは、関税が優遇されているため。
またチリのブドウの木は、フィロキセラの害を受ける前のヨーロッパから運ばれたものです。フランスの伝統製法だけではなく、近代的な方法も取り入れて醸造されたワインは、革新的でありながらもどこか懐かしさも感じられます。
幻の品種と呼ばれている「カルメネール種」をはじめ、おいしいワインがたくさん造られています。今のうちに、お好みの一本を探しておきませんか?
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