CULTURE

スペインを代表するワイナリー「パラ・ヒメネス」!3代目パブロ・ハビエル・パラ・ヒメネスさんが魅力を語る!

スペインのラ・マンチャ地方でワインを造る、「ボデガス・パラ・ヒメネス(以下、パラ・ヒメネス)」。

世の中にまだ、“オーガニック”や“有機”という言葉が広まっていない1993年以来、オーガニック作物の生産に専念する「オーガニックワインのパイオニア」として知られています。

今回、「パラ・ヒメネス」の3代目で同ワイナリーの醸造責任者である、パブロ・ハビエル・パラ・ヒメネスさんとオンラインでインタビュー。

パブロさんのこと、「パラ・ヒメネス」の哲学、またおすすめのペアリングなどについて語っていただきました。

パラ・ヒメネスインタビュー 3代目パブロさん

パラ・ヒメネス3代目 パブロ・ハビエル・パラ・ヒメネスさんにオンラインでインタビュー!

 

―編集長

収穫期の忙しい時期にインタビューにご対応いただき誠にありがとうございます。
まず、パブロさんについてお聞かせいただいてよろしいでしょうか?

―パブロ・ハビエル・パラ・ヒメネスさん(以下、パブロ)

私の名前は、パブロ・ハビエル・パラ・ヒメネス。パラ・ヒメネスを運営している一族の3代目で、現在29歳です。5年ほど前からこのワイナリーで醸造責任者、そしてIrjimpa(パブロさんの勤める会社)のワイン事業の責任者をしています。

前醸造責任者は父親だったこともあり、物心ついた頃から父にくっついていってブドウ畑で遊んでいたことを思い出しますね。ワイナリーでの仕事を眺めていた中でワイン造りは魅力的だと感じ、その後大学で醸造学コースを選考、大学卒業と同時に「パラ・ヒメネス」で醸造家としてのキャリアをスタートさせました。

―編集長

先ほど、パブロさんはワインの仕事を始めるにあたって、“ワイン造りに魅力を感じた”とおっしゃっていましたが、具体的にワインのどういったところに魅力を感じたのでしょうか。

―パブロ

ワインを造るためにはブドウが必要です。
ブドウ畑で一年間さまざまな手入れをし、ブドウを収穫する。さらにそのブドウをワイナリーが受け入れ、ブドウがお酒になっていく…。

最初の仕込みの瞬間、ドラスティックに果実だったブドウがワインへと変わっていく姿が面白いと感じました。

パラ・ヒメネスインタビュー 畑作業

―編集長

パブロさんのお話から、“ワインは畑で造られている”と印象を受けます。ご自身がワイン造りで重要だと思うことは”どんなことでしょうか。

―パブロ

畑はとても大切です。

“よいブドウからは、よいワイン”、“よくないブドウからは、よくないワイン”が造られるとよくいわれていますよね。

ただ、一方で“よいブドウから、悪いワイン”が生まれてしまうこともあるのです。

私たちのブドウ畑は父とおじさんが管理していますが、彼らが丁寧に育てたブドウを悪いものにせず、魅力的なワインに仕上げることこそ、ワイン造りにおける自分自身の任務であると感じています。

パラ・ヒメネスのオーガニック栽培について

パラ・ヒメネスインタビュー ビオディナミ農法

―編集長

「パラ・ヒメネス」といえば、オーガニックワインのパイオニアといわれるワイナリーです。

近年、世界的に「SDGs(持続可能な開発目標)」など、環境や自然に目が向けられていますが、「パラ・ヒメネス」が有機を始めたのは約30年以上前。

この時代はまだ有機栽培などがそこまで理解を得られる時代ではなかったと思うのですが、なぜ有機栽培に踏み切ったのでしょうか。

―パブロ

当時、“有機”というものを多くの人が理解できていない時代でした。
説明してもわからない、仮に有機栽培でブドウが収穫できてもそれがワインになるのか、と考えられていたほどです。

そのため、当初は村人たちから、“正気か!?”と言われていたようです。しかし、私たちファミリーはその当時から家で食べる野菜は化学肥料などを使用しない有機のものでしたし、私たち家族は有機栽培に一切の疑いをもっていませんでした。

そして父や叔父たちの努力と工夫によって有機栽培でブドウを栽培することに成功。

今では、スペインでの有機栽培の第一人者となりました。

―編集長

有機栽培でとくに苦労されている部分はありますか?

―パブロ

まず、もっとも大変なのはブドウ樹を健全に成長させることです。薬品を使えば病害を発見した瞬間に対応できますが有機ではそうはいきません。

2ヶ月、3ヶ月前から病害の予兆を察知し、いくつかのオプションを組み合わせて対応しなければならないのは苦労のひとつです。

また、生産量を上げるための長期的な目線、貴重な水分を持っていかれないための草の管理も大変な作業ですね。

パラ・ヒメネスインタビュー ビオディナミ農法と羊

※「パラ・ヒメネス」はビオディナミ農法を実践しています。
詳しくは以下の記事からご覧ください。

「オーガニックワインの先駆者 パラ・ヒメネスが語るワインのこだわり」

―編集長

私はワインで大切なことを、“アイデンティティ”だと考えています。

例えば、ラ・マンチャで造られたワインをブラインドで飲んでも、ラ・マンチャのワインだとわかる。

飲んだ時、それが「パラ・ヒメネス」のワインだとわかることこそ一流の証だと思うのですがいかがでしょうか。

―パブロ

おっしゃる通り、「パラ・ヒメネス」のワインを飲んでいただければ、それが私たちの畑からやってくる味わいであることに気がついていただけると思いますよ。

私たちの農法は収量は少ないものの、ワインにラ・マンチャのキャラクターをより色濃く表現できているのではないでしょうか。

パラ・ヒメネスの楽しみ方

―編集長

現在、サッポロビールでは「パラ・ヒメネス」の〈カベルネ・ソーヴィニヨン〉、〈シャルドネ〉、〈カベルネ・ソーヴィニヨン樽熟成〉<シャルドネ樽熟成>を取り扱いしています。

これらワインを現地ではどのように楽しまれているか教えてください。

―パブロ

スペインの食はとても豊かです。そのことは、私たちのワインは多くの楽しみ方があることを意味しています。

ただし、私はラ・マンチャ生まれ。

〈カベルネ・ソーヴィニヨン〉であれば、少し熟成感のあるマンチェゴ・チーズ(羊乳)やジャガイモのトルティージャとの組み合わせがお気に入りです。

パラ・ヒメネスインタビュー パラ・ヒメネス家のワインに合う料理

〈シャルドネ〉は、ラ・マンチャ風のミーガスや脂のよく乗っているサーモンと合わせるのが個人的には好きですね。

〈カベルネ・ソーヴィニヨン樽熟成〉は多くの肉料理に合うのですが、私たちの地元では羊をよく食べるため、乳飲み子羊のシチューと合わせます。これは、地元の友達たちと食事に集まったときの定番料理ですよ。

―編集長

どれも美味しそうですね。

ただ、なかなか日本の家庭料理には登場する機会が少ないメニューです。

ちなみにトルティージャはスペイン人にとってお母さんの味の象徴だと聞いています。

パブロさんのお母さまのレシピを教えてもらうことなどできますか?

―パブロ

はい、母は料理が大好きですので、ぜひ(笑)。

ちなみに、私は日本のお料理が好きなので、限られた食材ではありますが日本食を作ることもありますよ。

〈カベルネ・ソーヴィニヨン〉は醤油ラーメン、〈シャルドネ〉はお寿司やたこ焼きとよく合うと思います。

ワイナリー直伝!パラ・ヒメネスに合う料理のレシピ

パブロさんのお母様が、パラ・ヒメネス家で実際にワインと合わせて楽しんでいるという、とっておきのレシピを写真とともにスペインから送っていただきました!

・パラ・ヒメネス カベルネ・ソーヴィニヨン×ジャガイモのトルティージャ

パラ・ヒメネスインタビュー ジャガイモのトルティージャ

ジャガイモのトルティージャ (Tortilla de Patata.)  

材料(4人分)

・ジャガイモ  4つ
・卵 6ヶ
・エクストラ・バージン・オリーブ・オイル
・塩

作り方
1. 卵をボールに割り入れ、軽めにかき混ぜ、塩をする。(そのまま30分位放っておく)
2. ジャガイモの皮を剥き、2mm位の厚さで輪切りにし、塩をする。
3. フライパンに多め(1cm位)のオリーブ・オイルを入れ熱する。
4. 油が温まったら、ジャガイモを入れ弱火で揚げ炒めする。(ジャガイモの形が崩れないように)
5. 十分火が通ったら、ジャガイモは1のボールに入れる。(油は別にし、まだ別の揚げ物に使用する。)
6. 綺麗にしたフライパンにオリーブ・オイルを大さじ2か3入れ、5の卵とジャガイモを混ぜたものを入れる、火を通す。
7. 片面(下側)に火が通り、固まってきたら、フライパンより大きめのお皿で蓋をして、フライパンを蓋(お皿)ともにひっくり返しお皿とともにフライパンの中身を移す。
8. 素早く、お皿の下側(まだ火が通っていない方)をフライパンの面にあたるように、すり入れる。
9. その後、2,3分好みで再び火を通す。(中が写真の様に半熟気味の方が良ければ短め。しっかり火が通っている方が良ければ、じっくり。)

「パラ・ヒメネス」の考える未来

パラ・ヒメネスインタビュー ワイナリー

ー編集長

インタビューも最後になりました。

20年、30年後、パブロサンの考える「パラ・ヒメネス」の未来についてお聞かせいただけますでしょうか。

ーパブロ

私の夢はブドウ畑を手に入れ、ワイナリーの設備を向上させ、より良いワインを造り、ワイナリーを成長させていくこと。

ちなみに私が還暦を迎える頃…。

世界で知られているワイナリーになっていたら嬉しいですね。

夢ではありますが、スペインの別の産地(D.O)でワインを造る、場合によってはフランスのコート・デュ・ローヌでチャレンジするのも面白いと思っています。

ー編集長

最後に日本の「パラ・ヒメネス」ファンへ、パブロさんからメッセージをお願いします。

ーパブロ

まず、私たちのファンになってくれていることにお礼を申し上げたいです。

私たち「パラ・ヒメネス」は常に前進することを考えています。
信頼できるワイン、化学合成された肥料や農薬を使用していないために、ブドウ本来の味が楽しめるワイン。
さらに誰にとっても手に取りやすい価格でありながら、傑出した味わいのワイン。

これらを、試したかったり、飲みたくなった時にはぜひ「パラ・ヒメネス」を手に取っていただけたら幸いです。

パラ・ヒメネスインタビュー パブロさん一家

スペインのラ・マンチャに位置する、「パラ・ヒメネス」の パブロ・ハビエル・パラヒメネスさんにお話をお聞きしました。

日常使いしやすい、こだわりのスペインワイン「パラ・ヒメネス」。

ぜひ、この機会にお試しください。
▼パラ・ヒメネスのブランドサイトはコチラ