オーストラリアの銘醸地 バロッサ・ヴァレーのワイナリー、「ピーター・レーマン・ワインズ」。
バロッサ全域に広がる140以上の契約ブドウ農家と共に、ワールドクラスのワインを生み出す名門ワイナリーです。今回、「ピーター・レーマン・ワインズ」のワインメーカー、ティム・ドランさんにオンラインインタビュー。
ティムさんのこと、「ピーター・レーマン・ワインズ」の哲学やこだわり、ワインについてお聞きしました。
目次
ピーター・レーマン・ワインズのワインメーカー ティム・ドランさんにインタビュー!
―編集長
本日はインタビューにご対応いただき誠にありがとうございます。
まず、ティム・ドランさんご自身の自己紹介をお願いいたします。
―ティム・ドランさん(以下、ティム)
私がピーター・レーマン・ワインズのチームに加わったのは、2011年。私にとってファーストヴィンテージがこの年なので、ここでのキャリアはかれこれ10年になりますね。
私は2008年に醸造の大学を卒業した後、南半球・北半球さまざまなワイナリーで研鑽を積んできましたが、私の家庭はバロッサにおいてワイン造りをしており、その3世代目として血を受け継ぐためにこの地に戻ってきました。
現在ワインメーカーは私を含め4人で、チーフワインメーカーはナイジェル・ウェストブレード。
毎日、本当に素晴らしいチームで仕事ができています。
バロッサ・ヴァレーについて
―編集長
ピーター・レーマン・ワインズは、バロッサ・ヴァレーに位置するワイナリーです。
バロッサ・ヴァレーという産地の特長についてお聞かせいただけますか。
―ティム
まず、バロッサの気候条件としては地中海性気候で一年を通して温暖。夏期は特に暑く乾燥していますが、雨が冬期に集中して降るなど、バランスの取れた産地です。
また、土壌は7種類ほどあり、まるでパッチワークのような特長を持っています。
—編集長
バロッサ・ヴァレーには標高の高いエデン・ヴァレーもあるなど、産地としても大変ユニークだと思いますが、その点はいかがでしょうか。
―ティム
バロッサのブドウ産地は大きくわけて2つあります。
まず谷底の産地は標高300mほどで、温暖なためシラーの栽培に適しています。
一方、エデンヴァレーは標高500mほどで冷涼。リースリングに適した産地です。
また、ブドウの芳香が優れたものが収穫できるため、近年シラーも植えられています。
―編集長
ちなみにバロッサ・ヴァレーが他産地との違いがあるとしたらどのような部分でしょうか。
―ティム
樹齢の高いブドウ樹が多くあるところは特長といえるでしょう。
バロッサはブドウ栽培の歴史が古いため、樹齢が80年をこえるブドウ樹が植わっていますし、台木ではない自根のブドウ樹も残っています。
個人的にそういったブドウ樹から生まれるワインは品質に優れていると考えていますが、今後激変していく環境に適応するといった面では台木も将来的に大きな役割を担っていることを忘れてはいけません。
ピーター・レーマン・ワインズの哲学とDNA
―編集長
ピーター・レーマン・ワインズを3つの言葉で表すとしたら、どんな言葉が並びますか。
―ティム
トラスト(信頼)、ロイヤリティ(忠誠心)、リスペクト(尊敬)の3つですね。
ピーター・レーマン氏はブドウ農家ととても信頼が厚い人物であることから、この言葉を選びました。ブドウ農家の人たちのピーター氏への忠誠心があったからこそ、今のワイナリーがあります。
栽培・醸造へのこだわりについて
―編集長
ここからは、ピーター・レーマン・ワインズの栽培と醸造へのこだわりなどについてお聞きしていきます。
まず、栽培面からお聞かせください。
―ティム
昨今、私たちが気をつけているのは、“サステナビリティ”への取り組みです。
今、地球温暖化が深刻ですが、それに対応するための灌漑設備の構築などはもちろん、温暖化への対処方法などをブドウ農家へ教育するなど、産地を守るための取り組みに力を入れています。
―編集長
醸造についてお聞かせください。
―ティム
ピーター・レーマン・ワインズで扱っているブドウは芯まで熟しているため、タンニンがソフトで香り豊かなワインが仕上がります。
私たちのワインは、“エレガント”とか“繊細”と形容されることが多いですが、この部分はピーター・レーマン・ワインズの昔から変わることのない哲学です。
ピーター・レーマン・ワインズのワインと飲み方について
―編集長
日本へはリースリングとセミヨンが輸出されていますが、この白ワイン2種類についてお聞かせください。
―ティム
リースリング、セミヨンは特長が違うところがおもしろいところです。
まず、リースリングはよく冷えたフレッシュな状態がおすすめ。シーフードがよく合います。生でも、調理されているものでもOKで、スパイスが少し入っているとよりグッドです。
一方、セミヨンは瓶熟成されているので重たい料理がおすすめ。魚介類のカレーやローストポークなどもいいですね。
個人的にはラーメンとのペアリングが気になります。セミヨンの酸がラーメンの脂を切ってくれる…と想像しています。
―編集長
ピーター・レーマン・ワインズといえば、長期ボトル熟成されたマスターズ リースリングとセミヨンが話題になりますが、世界的にはどんな評価を受けていますか。
―ティム
このワインは、2003年と2006年にインターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション(IWSC)でワインメーカーズ オブザイヤーを2度受賞したことで注目を浴びることになりました。
ちなみに、マスターズはアンドリュー(前醸造責任者)が原料となるブドウに多くの酸があったことから瓶内熟成させてみようとスタートしたシリーズです。
今現在も熟成方法からブドウ産地など、造り方は一切変えていません。
―編集長
続いて赤ワインですが、日本へは「ポートレート」、「ザ・バロッサン」、「マスターズ」、「ストーンウェル」の4つのレンジが輸出されています。
それぞれのワインの位置づけなどを教えていただけますか。
―ティム
「ポートレート」はシンプルにバロッサの入門編として楽しんでいただきたいワインです。樽の影響が出ないように古樽を利用している、今飲んでおいしいをコンセプトにした赤ワインです。
「ザ・バロッサン」は、そこからステップアップしたシリーズ。より緊張感のある味わいですが、こちらも今飲んで美味しい赤ワインに仕上げています。
「マスターズ」、「ストーンウェル」は、どちらとも数量の面で限定した商品。どちらもトップ・オブ・トップのブドウが原料となっています。
「マスターズ」は、エレガントな造りで、シームレス、ソフト、チョコレートのニュアンス、タンニンが溶け込んだ赤ワイン。樹齢の高いブドウ樹のブドウを原料に、新樽比率は50%です。
一方の「ストーンウェル」は、より凝縮感があるブラックベリーのニュアンス。2年樽熟成の後、3年の瓶内熟成を経てリリースされます。
―編集長
ちなみに、ピーター・レーマン・ワインズのワインでティムさんが気に入っているワインを教えてください。
―ティム
〈マスターズ・メンター・カベルネ・ソーヴィニヨン〉ですね。バロッサといえばシラーズがキングですが、カベルネ・ソーヴィニヨンも品質が高いんです。
シラーズの影に隠れがちですが、バロッサのカベルネ・ソーヴィニヨンは注目してみてください。
サスティナビリティへの取り組み
―編集長
「サスティナビリティ」への取り組みについて先ほどお話いただきましたが、より詳しくお聞きしてもよいでしょうか。
―ティム
まず、バロッサは日照量が豊富なのでワイナリーにソーラーパネルを設置して電力を自前で調達しています。余計な電力は使用せず、水資源の再利用なども進めています。
また、バロッサの今後のことを考えた時、熱耐性のあるブドウ品種を検討しなければならなくなるでしょう。
畑でのサスティナビリティは、私たちにとって急務だと考えています。次世代に繋いでいくため、強くて健康なバロッサを守りたいと考えています。
日本のファンへ向けてメッセージ
―編集長
貴重なお話ありがとうございました。
最後に日本のファンに向けてひとことお願いします。
―ティム
日頃から私たちをサポートしていただき、本当にありがたいと感じています。
日本は私にとってお気に入りの国にひとつです。いつか、必ず日本へ行きたいと思っています!
まとめ
「ピーター・レーマン・ワインズ」のワインメーカー ティム・ドランさんにお話をお聞きしました。
創業者であるピーター・レーマンのDNAを受け継ぐ、信頼のワイナリー「ピーター・レーマン・ワインズ」。
ワールドクラスのワインを、ぜひこの機会にお試しください。
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