TRIP

ワインと巡る世界の美景旅 第4回
急峻な北アルプスのふもと、
豊かな自然と清らかな湧き水に恵まれた安曇野

気軽に旅行ができない昨今、気分だけでも旅を満喫したい!そんな方にお届けする世界の美景特集。各地の美しい景色を眺めながら、その土地のワインを飲めば、行かずとも旅気分に浸れそう。グラス片手のバーチャルトリップ。第四回は長野県の中央部、3,000m級の山々のふもとに広がる田園地帯、安曇野の美景をめぐりましょう。
text WINE OPENER編集部

美景旅_第4回

容姿端麗な山々が連なる北アルプス

長野、富山、岐阜、新潟の4県にまたがり、南北150kmにわたって連なる北アルプス。最高峰の奥穂高岳(3,190m)を筆頭に、国内にある3,000mを超える高山21座のうち10座がそびえています。
急峻な北アルプスは夏でも雪をまとい、頂をつなぐ稜線は神の道といった風情。安曇野はそんな神々しい山々のふもとに位置し、北アルプスの険しさとは一転、のどかな田園風景が広がります。

 

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北アルプスは安曇野のどこにいても見られますが、東側にそびえる長峰山の山頂からの眺めは格別です。長峰山は標高933mと気軽に登れる里山。展望台に上ると眼下には犀川が流れ、目の前に広がる安曇野の風景と雄大な北アルプスはまさに絶景!
山頂までは車で行くこともでき、安曇野きってのビュースポットとあって、週末になると多くの観光客が訪れます。

 

美景旅_第4回 もちろん本格的な登山に挑戦することもできます。北アルプスの入門コースとして知られるのが標高2,763mの燕岳。急斜面が多い登山道は、体力は必要ですが、よく整備され安心して歩けます。途中からは眺望のよい開けた道が続き、頂上稜線からの眺めは疲れを忘れさせる美しさ。

 

美景旅_第4回 山頂付近は巨大な花崗岩が林立し独特な景観を見せています。目の前には天空を突くようにそびえる北アルプスのシンボル、槍ヶ岳の姿が。中級者以上が訪れることのできる名峰です。

 

季節の移ろいを感じさせる風景

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季節ごとに異なる表情を見せる安曇野の自然。訪れるたびに新鮮な発見があるのも魅力です。新緑がまぶしい春は、色とりどりの花が風景に彩りを加えます。なかでも4月下旬から5月上旬にかけて「国営アルプスあづみの公園 堀金・穂高地区」で見られる菜の花は圧巻。約500万本の菜の花が咲き誇り、棚田を黄色に染め上げます。

 

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夏は緑が濃く茂り、涼やかな清流の美しさが際立つ季節。「長野県烏川渓谷緑地」では遊歩道を散策しながら渓谷の動植物を観察できます。烏川は北アルプスの常念岳、蝶ヶ岳を源とし、森林のなかから渓谷を経て安曇野を潤す清流。クリアな水に素足を浸すと、引き締まるような冷たさが気持ちいい!

 

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暑さがひと段落すると紅葉シーズンの到来。大天井岳の2,922mから犀川の497mまで、実に約2,400mもの標高差がある安曇野では、10月上旬から11月下旬まで、長い間紅葉を楽しめます。七色大カエデで有名な大峰高原をはじめ、赤や黄に色づいた森林を眺めながらのトレッキングは秋の醍醐味でしょう。

湧き水の恵みを受けた安曇野の豊かな食材

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安曇野は食の宝庫としても知られています。その源となっているのが北アルプスの雪解け水。雪解け水は伏流水となって、1日に約70万トンという豊富な湧き水をもたらし、おいしい米や野菜、果実を育んでいます。
湧き水の温度は年間を通して約13度と安定しており水質もきれいなため、それを生かしてわさびが栽培されています。湧き水が豊富な一帯は「安曇野わさび田湧水群」という名称で、環境省の名水百選にも選ばれています。

 

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「安曇野わさび田湧水群」の一角には、日本最大級のわさび農園「大王わさび農場」があります。大正時代から開拓がはじまった歴史ある農園で、清らかな水を利用したわさび畑は水の郷らしい風景。国内随一の生産量を誇り、約1kmにわたって延びる畑は圧巻です。

 

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湧き水は淡水魚の養殖にも使われ、特にきれいな水でしか育たない信州サーモンはブランド魚として注目の食材。ほかにも甘味の強いリンゴや風味豊かな野菜など湧き水の恩恵を受けた上質な食材は安曇野の宝物です。

 

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安曇野では水道水源にも周辺の山々からの地下水が利用されています。水質は和食に適した超軟水で、お米を炊いたり、コーヒーを入れたりと日常生活にも上質な水が潤いをもたらします。
長野は蕎麦の産地として知られていますが、地下水や湧き水で打った蕎麦も安曇野の味覚のひとつ。挽き立ての蕎麦粉をおいしい水で打ち、茹であがった蕎麦を冷たい水できゅっと締める。香ばしい蕎麦の風味をツンと刺激的な生わさびが引き立てます。

ブドウ栽培に最適な気候・土壌がそろう土地

長野県は国内では山梨県に次いでワイナリーが多く、日本を代表するワインの産地として信州ワインバレーと称されています。安曇野でも良質なブドウが育ち、この地で作られたワインは国内外で高い評価を得ています。
サッポロビールのワインブランド「グランポレール」は、長野に2つの自社畑を所有。安曇野では、高地にある安曇野池田ヴィンヤードでワイン用のブドウを栽培しています。

 

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北アルプスの東側、標高560~630mに広がる安曇野池田ヴィンヤードは、一年中、風通しのよい立地にあります。北アルプスと中山山地に囲まれ、夜は気温が下がるのが特長。朝晩の気温差のおかげで、ブドウにきれいな酸が生まれます。また適度な傾斜により水はけも良好。やせた土壌が凝縮感のあるブドウを育むなど、ブドウ栽培に適した条件がそろっています。

 

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良質なブドウを栽培するのに適した安曇野池田ヴィンヤード。これらの特長はフランスのブルゴーニュの気候に似ており、12.6ヘクタールの畑ではピノ・ノワールやシャルドネなどフランス原産の6種類のブドウが栽培されています。
今回はグランポレールのなかでも最高品質を誇るシングルヴィンヤードシリーズから、安曇野のそばやわさびとの相性もよい2本を紹介します。

 

グランポレール

グランポレール 安曇野池田ソーヴィニヨン・ブラン
参考小売価格:税抜4,008円

穏やかな香りと厚みのある味わいが魅力。シャープな酸も感じられ、新芽を思わせる若々しい香りは安曇野のわさびにも合いそう。後口には引き締まった柑橘系の苦みが広がり、魚料理との相性もよい1本です。

 

 

 

グランポレール

グランポレール 安曇野池田 ピノ・ノワール
参考小売価格:税抜5,008円

口に含むとブラックチェリーやマッシュルームのようなニュアンスが感じられ、滑らかなタンニンは心地よく上品。醤油や出汁など和風の味つけにもなじむワインです。

 

 

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北アルプスの雄々しい山々と、四季折々の美しい自然が拝める長野県・安曇野。良質なブドウを栽培するのに適した条件がそろったワインの名産地でもあります。長期休暇の旅先リストへ、安曇野を加えてみてはいかがでしょう?

 

※ワインについては、記事掲載時点での情報です。