CULTURE

アサンブラージュって何?メリットと使用されるブドウの種類

ワインをより詳しく知るには、アサンブラージュという言葉についても理解しておくと良いでしょう。

アサンブラージュって何?と思った方も、なんとなく聞いたことはあるけれど、意味までは分からないという方も、ぜひここで学んでいってくださいね!

アサンブラージュって何?メリットと使用されるブドウの種類

ボルドーのブレンド!アサンブラージュ

アサンブラージュはアッサンブラージュともいい、その意味はフランス語で「寄せ集め」や「集合」をさしています。そこから転じて、ワイン用語では「調合」の意味で用いられています。

ワイン用語でいうアサンブラージュは、別の品種のブドウを使ったワイン同士をブレンドする手法で、フランスのボルドーワインの魅力の1つでもあります。

「ブレンドするなんて、1つのブドウ品種では勝負できないってこと?」なんて、初めて耳にした方は思ってしまうかもしれませんね。

実際は、各品種それぞれの良いところを掛け合わせることで、ブレンド前には出せないような絶妙な味を生み出すために行われている伝統的な手法なんです。この手法でしか出せない味があるからこそ、ボルドーワインは今も昔もフランス、そして世界のワインの代表的な存在となっているんですね。

アサンブラージュは、ボルドーが代表的ですが、様々な国や地域でも用いられている手法です。ボルドー以外の例としては、シャンパーニュを造る過程でも用いられている手法です。シャンパーニュでは、ブドウ品種はもちろん、複数年のワインをアサンブラージュさせます。そのメーカーらしさが表現され、造り手のセンスと腕の見せ所でもあります。

ボルドーワインでアサンブラージュを行う目的は、以下の3つがあげられます。

・栽培のリスク軽減
・味のバランス
・飲み頃の調整

ブドウと一口にいっても品種によって収穫時期が早いものや遅いもの、一定の気候に耐えられるものなど様々なものがあります。複数の品種をブレンドするアサンブラージュなら、気候に左右されてブドウ品種ごとに収穫量の差が出たとしても、安定した供給ができるようになります。

異なる品種をブレンドすることで、味のバランスを整え、ボルドーの高い品質を維持することに大きく貢献しています。

また、整えるのは味だけではありません!飲み頃に到達する熟成期間の長さもワインそれぞれで差があるのが当然。それをアサンブラージュすることで調整してワインを造り上げているのです。

ボルドーワインが一定の品質と味を保っているのは、この醸造家たちの絶妙なアサンブラージュのたまものなんですね。

赤ワイン用のブドウ品種はどんなものがある?

アサンブラージュって何?メリットと使用されるブドウの種類

ここでは、アサンブラージュに用いられる赤ワインの主なブドウ品種をご紹介します。それぞれ味や香りの系統が異なるので、ボルドーワインを楽しむためにぜひ覚えてみてくださいね。

メルロー

比較的早く収穫期を迎えるメルロー種は、ボルドー地方でもっとも広い栽培面積をもつメジャーな品種です。赤ワインの深い色合いを出すうえで欠かせない存在であり、プラムのようなフルーティな香りと、ロースト香が飲みやすさを演出します。熟成させるとイチジクのような香りを感じさせる鮮やかな変化も、アサンブラージュを多彩なものにします。

カベルネ・ソーヴィニョン

メルロー種と反して、収穫期が遅めのカベルネ・ソーヴィニョン種は、ボルドー地方で伝統的に栽培され続けている品種です。芳醇で、しっかりとした骨格をもつ印象は、豊富なタンニンによるもの。ブレンドすると甘草やカシスのような魅惑的な香りを出し、熟成が進むと、どこか青々しい若草の香りが生まれてきます。

カベルネ・フラン

メインとして使われることは少ないものの、個性の強い品種同士をブレンドする際の優秀なまとめ役になってくれます。収穫期はカベルネ・ソーヴィニョン種より早く、メルロー種より遅めです。さわやかさや繊細さを与えてくれるため、アサンブラージュで活用すれば主張しすぎる個性を親しみやすい味に整えてくれます。木苺やすみれのような愛らしくも奥深い香りは、新しい魅力を引き出します。

これらの品種でアサンブラージュされた赤ワインは、例えば「コーディア・プレステージ」や「シャトー・ラ・チュイルリー(赤)」があげられます。

アサンブラージュって何?メリットと使用されるブドウの種類「コーディア・プレステージ(参考小売価格:2,600円)」はメルロー種とカベルネ・ソーヴィニヨン種のブレンドです。甘味をしっかり感じるフルーティなアロマの中に、キリッとしたシナモン、ふんわり広がるバニラのような香りも感じます。メルロー種がカベルネ・ソーヴィニヨン種の強いタンニンを柔らかくしてくれるので、ソースがからんだ肉料理に合う、香り豊かな赤ワインに仕上がっています。
◆商品ページ:http://www.sapporobeer.jp/product/wine/M713/index.html

 

 

 

 

アサンブラージュって何?メリットと使用されるブドウの種類「シャトー・ラ・チュイルリー(参考小売価格:2,100円)」はメルロー種、カベルネ・ソーヴィニョン種、カベルネ・フラン種をメインに、その他の品種で微調整した赤ワインです。コーディア・プレステージがしっかりとしたフルボディなのに対し、シャトー・ラ・チュイルリーは飲みやすいミディアムボディ。スミレのような香りがとおり抜けていくさわやかさは、濃厚なビーフシチューに合わせてもおいしく飲めます。華やかな果実の甘いアロマの中に、優しくもしっかりと存在するタンニンが飲み口をすっきりさせてくれます。
◆商品ページ:http://www.sapporobeer.jp/product/wine/ME52/index.html

 

 

白ワイン用のブドウ品種はどんなものがある?

アサンブラージュって何?メリットと使用されるブドウの種類

白ワインもアサンブラージュが行われています。用いられることの多いブドウは、以下の3品種です。

ソーヴィニョン・ブラン

辛口ワインでは欠かすことのできない品種です。酸とミネラルの鋭い味に、柑橘類の香りがぴったり。つげ、イチジクの葉のような上品なグリーンも漂わせ、全体的にさわやかさに溢れた味わいと印象を与えます。

セミヨン

ソーヴィニョン・ブラン種が辛口ワインで欠かせない品種なら、セミヨン種は中甘口と甘口ワインに欠かせない代表品種です。まろやかさとさわやかさがあり、辛口ワインのアサンブラージュでも用いられるほどの豊かな香りです。杏やハチミツのような香りは、貴腐ワインになると一層華やかさを増します。

ミュスカデル

赤ワインで用いられるカベルネ・フラン種と同様、メインよりも補助的な役割で使われることの多い品種です。病害のリスクが高いのですが、その花と麝香(ムスク)のような香りが重宝され、10%以下の割合でさりげなくブレンドされます。辛口と甘口どちらのワインのアサンブラージュにも使える汎用性の高さも人気の秘密です。

これら白ワイン用のブドウでアサンブラージュされたワインは、例えば「コーディア・プレステージ」や「シャトー・ラ・チュイルリー(白)」があります。

アサンブラージュって何?メリットと使用されるブドウの種類「コーディア・プレステージ(参考小売価格:2,600円)」はセミヨン種、ソーヴィニヨン・ブラン種をブレンド。白桃や柑橘類を彷彿とさせる甘く優しい香りの中に、ちょっぴり感じる大人なスモーキー。バニラの優しさも香ってきて、その奥深さに虜になること間違いなし。確かなミネラル感はソーヴィニヨン・ブラン種がもたらしたもの。スパイシーさとの調和が魚料理や鶏料理の淡白な味にぴったりです。
商品ページ:http://www.sapporobeer.jp/product/wine/0445/index.html

 

 

 

 

アサンブラージュって何?メリットと使用されるブドウの種類「シャトー・ラ・チュイルリー(参考小売価格:2,100円)」はセミヨン種、ソーヴィニヨン・ブラン種、ミュスカデル種を合わせた多様さが魅力の白ワインです。コーディア・プレステージもシャトー・ラ・チュイルリーも同じ辛口に分類されますが、その味わいは全く別物です。柑橘系の香りの中に、クルミやドライフルーツの濃縮された香りは、鮭のソテーなどバターのクリーミーさを味わう時におすすめです。しっかりとした酸味が感じられます。
商品ページ:http://www.sapporobeer.jp/product/wine/ME53/index.html

 

 

まとめ

アサンブラージュはボルドーの伝統的な手法です。複数の品種のブドウでできたワインをブレンドすることで、単一品種では出せない深みを出すことができます。

シャトー(醸造所)ごと、アイテムごとにブレンドされる品種とその割合は異なります。さらには、同じアイテムでもヴィンテージによってブレンド内容は異なる可能性があるところがボルドーのワインの魅力の1つ。どのような品種がブレンドされているのかを確認しながら、楽しんでみてはいかがでしょうか。シャトーごとの飲み比べや、ヴィンテージごとの飲み比べにも挑戦してみてくださいね。