パクチーやナンプラーなど、今や、普段の食卓でもおなじみになってきたアジアンテイストの食材や調味料。それらを受け止めてくれるのが『ソーヴィニヨン・ブラン』種の白ワインです。人気ベトナム料理店オーナーであり、日本ワイン「グランポレール」のブランドアンバサダーも務めるソムリエ 、大越基裕さんに「グランポレール」が誇る「安曇野池田ソーヴィニヨン・ブラン<薫るヴェール>2021」とアジアンテイストのおつまみの相性の良さについて語ってもらいました。
text WINE OPENER編集部
目次
■お話をうかがった方
大越基裕さん
北海道出身。「銀座レカン」ソムリエを経て、2013年よりワイン・テイスターとして独立。自身が経営する青山のベトナム料理店「Ăn Đi(アンディ)」、姉妹店「Ăn Cơm(アンコム)」共にミシュランガイドにてビブグルマンを獲得。その他、講演、執筆、コンサルタントなど多方面で活躍。2020年、「グランポレール」アンバサダーに就任。「国際ソムリエ協会」インターナショナルA.S.I.ソムリエ・ディプロマ 、ブルゴーニュ大学認定醸造技師(DTO)、IWC審査員、JALワインアドバイザー。
アジアンテイストのおつまみに合わせたいワインはこちら!
グランポレール
グランポレール 安曇野池田ソーヴィニヨン・ブラン<薫るヴェール>2021
参考小売価格:税抜4,008円 2022年8月30日 数量限定発売
「グランポレール」ブランド最高峰のシングルヴィンヤードシリーズは、畑の個性を表現した最高品質のブドウを使用し、つくり手のこだわりを凝縮させた数量希少なワインです。安曇野池田ヴィンヤードは、長野県の日本アルプスワインバレーに位置しています。標高平均580メートルの丘に清々しい風が吹きわたり、気候条件・土壌ともにフランス系品種の産地として最適の条件を満たすヴィンヤードです。
特に2021年ヴィンテージでは、栽培家とワインメーカー双方が同じ想いのもと、ブドウ栽培・仕込・発酵・熟成に至る全ての工程を徹底的にこだわり抜きました。ソーヴィニヨン・ブランが秘めている「薫り」を最大限に引き出すことで、これまでのヴィンテージと異なる新しいスタイルの味わいに仕上がりました。
情熱ある栽培者が育てた良質なブドウと、高い技術をもった熟練の醸造家がつくり上げた渾身のワイン「グランポレール シングルヴィンヤードシリーズ」の新ヴィンテージをぜひお楽しみください。
「安曇野池田 」の魅力は、
なんといってもブドウが喜ぶ「風土」にあり!
―「安曇野池田」は、近年注目が高まるワイン産地、長野県の中でも「日本アルプスワインバレー」に属する場所ですが、大越さんからご覧になって、どのような点が魅力ですか?
大越基裕さん(以下敬称略):やはり、ワインはどこで作られたのかが、そのままワインの魅力に直結します。では、「安曇野池田」という場所の魅力がどこにあるかですが、それについてお話する前に、世界全体のワインを造る環境の変化について触れておこうと思います。
―昨今、何かと話題になる地球温暖化に関係したお話でしょうか?
大越:はい。今、世界中で気温が上昇している中でワイン造りにフォーカスすると、どの国も冷涼な産地に注目し始めています。そういう状況の下で、新たなワイン産地が生まれたり、もともとあった冷涼産地がよりクローズアップされるようになったりしているというのが今の世界的な流れです。それを念頭において日本を眺めてみると、「安曇野池田」は日本における冷涼産地と捉えていいと思います。
長野は全体的に標高が高いところにブドウが植えられていますが、その中でも「安曇野池田」の標高の高さ(安曇野池田ヴィンヤードの標高は約560~630m)が特長的です。さらには、周りの自然環境の恩恵が得られることも大きなポイント。風通しが良い畑のため、日照量が強くても温度を低く保てる分、酸味を保持できるんです。
―温度と酸味が関係しているんですか? どういうことなのでしょう?
大越:少し難しい話になってしまうかもしれませんが、「安曇野池田」のように夜間が涼しいと、ブドウは酸味をキープできます。反対に、夜も気温が高いと、ブドウは呼吸が激しくなりクエン酸回路による代謝でエネルギーを生み出すことで、酸が維持できなくなってしまう。なので、やはり夜間は涼しいことが酸を保持できる絶対条件になってくるわけです。
―なるほど。「安曇野池田」の風土と、ソーヴィニヨン・ブランの個性を活かしたブドウが栽培されているんですね。
大越:そうですね。特に最新の「グランポレール 安曇野池田ソーヴィニヨン・ブラン<薫るヴェール>2021」では、ソーヴィニヨン・ブランの代表的な香りとして挙げられるグレープフルーツやパッションフルーツ、カシスの芽などと表現される香りがわかりやすく展開しています。そのため、今までのヴィンテージよりもアロマティックなワインに仕上がっているんですね。もともとブドウが持っていた香りが最大限に活かされていると思います。
ソーヴィニヨン・ブランと合わせるポイントは、
柑橘の酸を中心にした軽い味わい
—それでは、いよいよ、そんな「グランポレール 安曇野池田ソーヴィニヨン・ブラン<薫るヴェール>2021」に合わせたいアジアンテイストのフードをご紹介いただきたいと思いますが、アロマティックなワインとアジアンテイストは相性がいいのでしょうか?
大越:そもそものソーヴィニヨン・ブランがグリーンノートを少し持っているので相性はよいと思います。たとえば私たちのお店のひとつ「Ăn Cơm(アンコム)」というカジュアルスタイルのベトナム料理店の方で出している「キャロットサラダ」は合いますね。にんじんを薄くスライスして、そこに香味野菜やハーブなどを入れて柑橘類の果汁といっしょに和えるのですが、うちでは調味料として少しナンプラーを入れて、さらに「木姜油」(ムージャンユ、主に中国・貴州省で使われている木姜子=クスノキ科の山蒼子[さんそうし]の実の油)というオイルも入れるんです。

―「木姜油(ムージャンユ)」、初めて聞きました! スーパーなどではあまり見かけませんね。
大越:最近は、Amazonなどで手に入るようになった中国の油ですが、これがレモングラスのような香りがあるんです。あとは、パクチーやミントなどの様々なハーブ類と少しだけクミンも入れて。クミンはもともと香り高いので、ソーヴィニヨン・ブランがそもそも持っている香りとハーモニーを作っていく上では、ポイントになる香りです。クミンは酸味があるものと相性がいいなと思います。
そういう少し酸味のあるキャロットサラダのような、柑橘の果汁でマリネして、「うま酸っぱい」味わいとワイン自体の酸味の相性のよさ、ハーバルな香り同士のハーモニーなどが特に今回の最新ヴィンテージではお楽しみいただけるのではないかと思います。
—21年のヴィンテージに合わせる時には、ワインがまだ若いということも考えるポイントになりそうですね。
大越:そうですね、やはり軽めの料理の方が、相性が良いです。火を通さずマリネにしているくらいのものがおすすめですね。
うちのお店では、ベトナム料理でおなじみの生春巻きもよく作りますが、生春巻きは野菜が中心なので基本的に軽いんですよね。以前、野菜やピクルス、サーモンマリネに木の芽を添えて生春巻きの皮で巻いて、香り高い山椒のソースを添えてお出ししていました。
「洋」のハーブに対して、木の芽や山椒は「和」のハーブですよね。和のグリーンノートでソーヴィニヨン・ブランのグリーンノートと掛け合わせるという組み合わせです。

―サーモンもマリネして酸を足しておくんですね。
大越:サーモンをマリネしておけば生臭さは消えますよね。もともとサーモンマリネとソーヴィニヨン・ブランというのはフレンチでもよく登場するペアリングです。それを、若いヴィンテージに合わせてもっと軽やかにするために、野菜たっぷりのものといっしょに巻いてあげるといいと思います。日本のソーヴィニヨン・ブランは海外のものよりもボディが軽いので、サーモンマリネ単体よりは野菜と共に食べる方が、より相性が良くなると思います。もし、生春巻きを作るのが難しければサーモンマリネのサラダにしてもいいですよ。
―ひと手間減らしてもいいと思うと、チャレンジするハードルがぐっと下がりますね(笑)。あともうひとつほど教えていただけますか?
大越:お店だったら、タイやラオスの料理「ラープ」という肉類と野菜、ハーブをナンプラーと柑橘の果汁で和える物がおすすめです。

家で作るのでしたら、魚介類と野菜のマリネも手軽でいいと思います。材料は歯ごたえがしっかりあるものよりは、アサリとかそういうちょっと軽い貝類を使って、白身の魚や野菜といっしょに、ライムでマリネする。やはり素材の軽さと味付けも塩で軽め、そこに酸とハーブなども加えると相性が良いですね。
―白身魚のお刺身パックを利用すれば、家庭でも簡単に作れそうですね! 柑橘をたっぷり搾って。
大越:ビネガーの酸も合わなくはないですが、21年に合わせるには少し強いので、柑橘系のクエン酸の方が、ソーヴィニヨン・ブランの酸の方に強さとしては近いです。もし、ビネガーの酸で食べるサラダにするのでしたら、ビネガーとレモンなどの柑橘果汁の割合を半々くらいにしたドレッシングを作るといいと思います。あとは油脂分を全体的に控えることですね。マリネの時のオリーブオイルは問題ありませんが、揚げ春巻きとか、しっかり焼いたものはあまり向いていないですね。強いていえば、軽くボイルしたもの、サラダチキンとか。
―野菜よりもチキンを多めにしたらメインの料理にもなりますね。
大越:そうですね。その場合もやはりポイントになるのは軽めの味付け。醤油系ではなく、塩麹レモンとか、柚子塩ポン酢とかそういった酸と塩の組み合わせがいいと思います。味の組み合わせは「柑橘系の酸」、「軽い塩味」、「軽い食材」、そして調理はあまり火を通さないこと。2021年の安曇野池田のソーヴィニヨン・ブランと軽やかなアジアンテイストの料理は相性抜群だと思いますので、ぜひトライしてみてください。
プロの味が食べたくなったら大越さんのお店へ!
住所:東京都渋谷区神宮前3丁目42−12
TEL:03-6447-5447
営業時間:12:00-13:30(LO /ランチは土日のみ)
18:00-23:00(LO)
月定休
住所:東京都渋谷区広尾5-4-16 EAT PLAY WORKS THE RESTAURANT 2F
TEL:03-6409-6386
営業時間:11:30~14:30 (14:00L.O)
17:30~23:00 (22:00L.O)
月定休
http://andivietnamese.com/(外部サイトにリンクします)
グランポレール 安曇野池田ソーヴィニヨン・ブラン
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※ワインについては、記事掲載時点での情報です。