日本のオーガニックフードの先駆者がカフェをオープン!「アリサンパーク」に聞く、いま「オーガニック」が注目される理由 日本のオーガニックフードの先駆者が注目のカフェをオープン!「アリサンパーク」に聞く、いま「オーガニック」が注目される理由

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日本のオーガニックフードの先駆者がカフェをオープン!
「アリサンパーク」に聞く、いま「オーガニック」が注目される理由

世界的にオーガニック食品への関心度が高まるなか、先進国の国別1人あたりの年間有機食品消費額(2018年)においては、1位スイス、2位スウェーデン、3位オーストリア、以下フランス、ドイツ…と続き、日本は13位。市場規模はまだまだと見られていましたが、今や日本でも、「オーガニック」という言葉を知っている人の割合は90%を超え、さらにはコロナの影響もあり、ここ数年の間に、やっとオーガニックフードが身近になってきたようです。

今年7月には、オーガニックフードの先駆者として約35年前から輸入販売を手がけてきた「アリサン」が、東京・代々木公園の近くに初めて直営店「アリサンパーク」をオープンしたのも象徴的なニュースのひとつとして、話題になりました。

そして、近頃ワインの世界でも、「オーガニック」は注目のキーワード。オーガニックワインのパイオニアとして知られるスペイン「ボデガス・パラ・ヒメネス」は、10月4日に手軽に楽しめる250mlサイズをリリースしました。そこで、「アリサンパーク」の創設者の娘さんである、ケイ・ベリスさんに昨今のオーガニックの傾向についてお話をうかがい、なぜいま、「オーガニック」が注目されるのかその理由を探ってみました。

text WINE OPENER編集部 photo yoshimi

※データはすべて農水省農産局農業環境対策課『有機農業をめぐる事情』(令和4年7月)より

今回取り上げるワインは250mlサイズ登場で手軽に試せる
オーガニックワインのパイオニア
スペイン「ボデガス・パラ・ヒメネス」

1993年、世界ではまだオーガニックという言葉さえ市民権を得ていない時代から、オーガニックワインを生産し続けているワイナリーです。周りの生産者にクレイジーだと言われながらもオーガニックにこだわり続けた、その経験は品質の高いワインを生み出す事に繋がっています。その「パラ・ヒメネス」に家飲みにぴったりな250mlサイズが登場。手軽に試せる飲み切りタイプでいっそう豊かなワイン生活を。

 

パラ・ヒメネス カベルネ・ソーヴィニヨン[オーガニック]250

パラ・ヒメネス
パラ・ヒメネス カベルネ・ソーヴィニヨン[オーガニック]250
参考小売価格:税抜500円

紫色を伴った深いレッドチェリーの色調。ブラックベリーやブラックチェリーのアロマに黒い粒胡椒のスパイシーな香りが特徴的な赤ワイン。完熟した果実ならではのキメ細やかな渋味と豊富な果実味が楽しめます。

 

 

パラ・ヒメネス シャルドネ[オーガニック]250

パラ・ヒメネス
パラ・ヒメネス シャルドネ[オーガニック]250
参考小売価格:税抜500円

色は黄金色に輝き、完熟した果実の甘いアロマとスパイシーな香りが魅力的な白ワイン。酸味のバランスも良く、華やかな味わいが楽しめます。

 

 

昔も今も、友人のためにいいものを。
40年近く前から静かに広がるオーガニックの口コミ

パラヒメネス_オーガニック

全国各地の自然食品店でしばしば見かける「アリサン」の商品ですが、もともとはケイさんのお父様のジャックさんと、お母様のフェイさんがお二人で立ち上げられたのですよね。

ケイ・べリスさん(以下敬称略):ジャックはもともと環境汚染の研究の仕事をしていていましたが、動物実験を重ねるなかで思うところがあり、研究を辞めて旅に出るんです。その当時から食の安全について意識が高かったジャックは、食に対する同じような考えを持ったフェイとタイで知り合い、二人で旅するようになりました。いわゆる当時のヒッピーですね。その後、縁があって、埼玉・秩父で骨董品を直しそれをアメリカへ販売しに出かけるようになりました。それが1985年くらいのことです。そして帰国する際、骨董品を売って空いた荷物のスペースに、3,40年前にはまだ日本で一般的に出回っていなかったグラノーラやピーナッツバターなどを詰めて戻ってきたんです。そのうち、周囲の友人たちからのリクエストにも応えるようになり、オーガニック商品を扱う会社として、埼玉・日高市を拠点に成長してきました。

パラヒメネス_オーガニック
お話を伺ったケイ・べリスさん(右)と共に「アリサンパーク」をマネージメントしているケイさんのお兄さんジェイさん(左)。

当時は、ネットの情報もない時代ですし、オーガニックフードの存在さえ知られていないですよね。どのように広げていったのでしょう?

ケイ:傍で見ていてすごいと思うのがそこなんです。当時日本では一般的ではなかったオーガニックフードを、イベントや学校のバザーなどでone to oneで商品の優れたところや生産者の話を説明して、純粋に口コミだけで広めて行ったんですよね。私は小さい頃から夏休みになると、両親といっしょに農家さんを訪ねていろいろな話を聞いて、もっと彼らのストーリーを伝えたいと思うようになりました。商品を実際に選ぶのはジャックで、彼が思うおいしさや品質の基準をクリアするのは大前提なのですが、私たちは農家さんと距離が近いので、お客さんから何か質問を受けたら生産者さんに直接聞けますし、そこは昔から本当にフラットな関係性を保っていると思います。

パラヒメネス_オーガニック
ワインのお供にぴったりなナッツ類の品揃えも豊富。

お客さんに対しても農家さんに対しても誠実に接することが、信頼につながっているんでしょうね。そのような地道な活動が今やっと実を結びつつあるのでしょうか?

ケイ:そうですね。最近のオーガニックの広がりを見てここ3年くらいで始まったと思っている方もいますが、実は35年前からやっていることで。ただ、確かに、この2、3年でオーガニックのオリーブオイルやオーガニックのオートミールやお菓子やドリンクなど、一般スーパーからのお問い合わせが増えました。今まではあり得なかったことです。

サステナブルでつながるオーガニックフードと
「パラ・ヒメネス」のワイン造り

今回テーマになった、250mlサイズのスペイン「パラ・ヒメネス」は、1993年からすべて有機認証の自社畑のブドウを使ったオーガニックワインを造っています。

また、おいしいブドウ造りを出来るだけ自然に行なうため畑にいる、チーズ造りでも活躍している羊の糞を肥料にしたり、がちょうに雑草を食べてもらったりするなど動物の力を借りながらブドウ造りを行ない、化学合成された肥料や農薬を使わず、自然の力を借りてワイン造りを進めているのですが、やはり、今、オーガニックフードを手に取る方は、おいしさや健康のため以外にも、その商品がどのような背景を持ち、地球にどのようなインパクトを与えているかを気にする傾向が強まっていそうですよね。

パラヒメネス_オーガニック

ケイ:このサイズはお店の前の代々木公園のピクニックのお供にもよさそうですね。最近は食べ物に限らず、洋服でもなんでも、みんなどこから何が来ているのかについて興味を持っていますよね。その背景を知りたい欲求が高まっていると思います。そして、35年前と今が大きく異なるのは、科学的なリサーチデータがあること。オーガニックのものを食べたらどのようなインパクトが地球にあるかということもわかりつつあります。特に若い人たちの間で、オーガニックやヴィーガンという選択は地球のためにというマインドセットに変化しているように思います。それこそ、食物そのもの以外に、パッケージが脱プラスティックなのかどうかも含めて。

パラヒメネス_オーガニック

地球温暖化を意識する人たちの増加も、オーガニックフードの広がりの一因といえそうですね。

ケイ:さらに昨今のコロナ禍など、世界的な情勢の影響も大きいと感じています。 日々の暮らしを少しよくしたいというように、お金の使い道に対する意識も変わり、みんな食べ物はいいものを選んでお金を出す傾向になると思います。家で過ごす時間も増えたので家の料理を少しいいものにするとか、家で飲む機会が増えてちょっといいおつまみを作るとか。いま、こちらのお店で特に売れているのも素沙茶醤などオーガニックの台湾調味料で、皆さん少し手をかけて料理を作っていることが伺えます。

パラヒメネス_オーガニック

そういう状況から考えても、今回の満を持しての東京への出店は、オーガニック食品のマーケットにとっても大きな意味がありますね。

ケイ:いいものを作っている生産者さんって、自ら声高に宣伝しないんですよ(笑)。せっかくいいものなのだから、もっと多くの人に知ってもらうために、もう少し大きな声で伝えていきたい。今回のこちらの代々木公園のお店は、オーガニックを発信するための拠点にできたらと思い、1階はカフェとショップ、2階もカフェ、3階はセミナーやイベントが開催できるスペースになっています。ここに来るお客さんはご近所さんが多いですが、それぞれが違う目的で来たにもかかわらず、カフェのスタッフと楽しい会話ができたとか、イベントに参加したら新しい知識を学んで元気が出たなど、お店で過ごしたあとにはハッピーになってほしい。お店でのそういった体験を通して、日本でのオーガニックフードの割合が少しでも増えたらいいなと思います。

パラヒメネス_オーガニック
食べごたえたっぷりプラントベースのハンバーガー(税込1,600円)

パラヒメネス_オーガニック

アリサンパーク

扱う商品は、オーガニックやヴィーガンのものばかり。カフェでは看板メニューの「ピーナッツバタートースト」など、ヘルシーな軽食が揃う。道路を挟んだショップの向こう側には代々木公園のグリーンが広がり、公園での散歩や運動後に朝食を楽しむ人たちの姿も。

https://alishanpark.com/
(外部サイトにリンクします)

◎住所:東京都渋谷区代々木5-63-1
◎営業時間:7:30~18:00
◎水木定休

 

※ワインについては、記事掲載時点での情報です。

パラヒメネス_オーガニック